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2020_日本代表(親善マッチ)・・主体的に、そしてダイナミックに、攻守ハードワークとリスクチャレンジを探しまくる森保一ジャパンに乾杯!!・・(日本vsパナマ、1-0)・・(2020年11月13日、金曜日)

やっぱりサ・・

この試合でも、「スペース攻略プロセス」というのが、もっとも興味深いテーマだよね。

要は・・

両チームの、仕掛け(最終勝負!?)プロセスの全体的な傾向・・という視点。

たしかにパナマは、個人的には、高い能力を有している。

でも、仕掛けプロセスに入ってからの印象が、やっぱり、「個の勝負を、ぎこちなく、ブツ切りに積み重ねていく・・」ってなイメージ。

もちろん・・

最終勝負に至るまでの組み立てプロセスでは、しっかりとボールは動くよね。

でも、それにしても、「人の動きをスムーズにつなぐ」ってな機能性じゃなく、あくまでも、止まった選手への「足許パス」ってな、鈍重の傾向が強いんだ。

日本のように、組み立て段階でも、しっかりと、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを魅せる・・ってな高質イメージじゃない。

要は、攻守ハードワークとリスクチャレンジを自ら積極的に「探しまくる」ことに対する意識と意志のレベルが、日本ほど洗練されていないっちゅうことなんだろうね。

そして、仕掛けゾーンに入ってもパナマは・・

2列目ゾーンで足許パスを受けた選手が、ドリブルで(決定的スペースの攻略=シュートや決定的パス=をイメージして!)勝負を仕掛けていく。

あっと・・

その「決定的スペースの攻略」という表現がもつ意味だけれど・・

もちろん、相手守備ブロックのウラ(最終ラインとGKの間)に広がるスペースは、決定的さ。

でも、それだけじゃなく・・

決定的スルーパスや決定的クロスを送り込めるような、ペナルティエリア周辺ゾーンで、ある程度フリーの「ボールホルダー」を創りだすコトだって、スペース攻略って言えるんだよ。

とにかく・・

そんな最終勝負プロセスに、基本的には「個の勝負」で入っていくパナマに対して・・

森保一ジャパンは、しっかりと、「ボールがないところ」で勝負を決められるんだ。

そう、組み立てプロセスだけじゃなく、最終勝負プロセスでも、素早くスマートな「人とボールの動き」で決定的スペースを攻略しちゃうんだ。

そこで大事になってくる要素が、数的優位なカタチを演出するコト・・

「それ」が多くのケースで十分に演出できている森保一ジャパンは、攻守ハードワークとリスクチャレンジへの意識と意志が高いっちゅうことだよね。

だからこそ、攻守にわたる局面勝負で、「人数」が相手よりも多いシーンが続出する。

あっと・・もちろん・・

スペースを攻略したら(ある程度フリーなボールホルダーを創りだせたら!)・・

そこから、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションだけじゃなく、個の勝負「も」ブチかましていくよ。

そうなんだよ・・

森保一ジャパンは、最終勝負プロセスでのオプション(選択肢)が多いんだ。

たまには、人とボールの動き(パスだけ)で、最後も、ダイレクトシュートをブチかましたり・・

たまには、久保建英に代表される「天賦の才」が、個の勝負「も」スマートにミックスしたり・・

そんな、「組織」と「個」を織り交ぜることで演出する、最終勝負プロセスの「変化」こそが、いまの日本代表の強みだと思うわけさ。

あっと・・

もちろん、その「絶対ベース」は、何といっても、ボール奪取プロセス(守備)にあり。

森保一ジャパンでは、ボールを失った直後の「爆発的な攻守の切り替え」からの、効果的デイフェンスアクションが秀逸なんだよ。

そこじゃ、誰一人として、サボったりしない。

それもまた、ストロングハンド、森保一の優れた心理マネージメント故だよね。

そのボール奪取プロセスだけれど・・

後半から登場した遠藤航。

もう、素晴らしいの一言だったじゃありませんか。

友人のドイツ人プロコーチ連中も、掛け値なしに、遠藤航に対する賞賛を惜しまない。

私のコラムでは、よく、「攻守ハードワークとリスクチャレンジこそが・・」なんて表現を使うでしょ。

遠藤航の場合・・

とにかく、攻守にわたって、様々なコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包する「攻守ハードワークとリスクチャレンジ」を、積極的に(自由意志で!)探しまくるんだよ。

不確実な要素が満載のサッカーだから、最後は、自由にプレーせざるを得ない。

だからこそ、そのプロセスでは、極限の主体性と、創造性&想像性が求められるのさ。

もっと言えば・・

だからこそサッカーは、それぞれの社会の「文化体質までも投影する・・」なんてコトまで言えるかもしれない。

要は・・

「本質的な自由」のない社会では、決して、強いチームはできない・・ってコトさ。

あっ・・蛇足・・

ということで、今日は、もう、寝ます。

数日後の、強いメキシコとのフレンドリーマッチが、いまから、とても楽しみになってきました。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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