トピックス


2020_AFC_U23・・典型的な、「優れたサッカーが、勝負サッカーに、してやられる・・」ってな勝負マッチではあった・・(サウジアラビアvsウズベキスタン、1-0)・・(2020年1月22日、水曜日)

・・そんなことは、いま考えることじゃない・・

・・これから(準決勝で)強敵のサウジと闘わなければならないし、もし負けたら、三位決定戦でも、韓国かオーストラリアといった強豪と相対さなきゃいけないんだから・・

ウズベキスタンU23代表監督、セルビア人のルビンコ・デュルロビッチが、スーパーサッカーでUAEを撃破した(準々決勝)あとの監督会見で、わたしの質問に、そんなニュアンスの内容をコメントしてくれた。

その質問・・

・・この素晴らしいサッカーのベースは、どこにあるのですか?・・

・・それは、東南アジアや中東のサッカーとはかなり違う・・

・・ロシアから?・・ヨーロッパから?・・それともデュルロビッチさんのオリジナル?・・

それに対して、デュルロビッチさんが、真摯に答えてくれた。

でも、内容は、チーム戦術に関する基本的なコトばかり。

だから、(ハナシの腰を折って申し訳なかったけれど・・)こんな質問も、飛ばしてみたんだ。

・・You are very much welcome to Tokyo2020・・

そしたら・・

またまた長く、冒頭のコメントを中心に、真面目に答えてくれたっちゅうわけさ。

なかなか、優れたパーソナリティーに溢れたプロコーチじゃありませんか。

セルビア人・・

コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチと同郷だね。

わたしは、ドイツ理留学時代から、(体育大学やコーチングスクールなどで!)多くの旧ユーゴの連中と親交があったのだけれど、彼らの、創造的な(美しい!)サッカーに対する情熱には、いつも感心させられたモノさ。

だから、ミハイロも含めて、懐かしさから(!?)、デュルロビッチさんの長〜い話しが終わる前に、そんな「チャチャ」を入れてしまったんだ。

申し訳ありませんでした。

でも彼は、そんな「チャチャ」に対しても、真摯に答えてくれたっちゅうわけさ。

そんなこともあって、また、彼らがUAE戦で魅せたスーパーサッカーのファンになってしまったことで(!?)、このサウジアラビアとの準決勝では、もちろん、ウズベキスタンを応援していた。

そして彼らは、そんな私の期待に違わない素晴らしいサッカーを魅せてくれたんだ。

全体の、チーム戦術的な「ゲームの構図」は・・

・・組織で攻めるウズベキスタンに対して、局面での個の勝負を主体に崩していこう(スペースを攻略しよう!?)とするサウジアラビア・・

・・ってなことですかね。

たしかにサウジも、最終勝負シーンでは、ドリブルとコンビネーションを、効果的にコラボレートしようとはしていた。

ても、やっぱり「仕掛けイメージの基本」は、個のドリブル勝負にありっちゅうことさ。

もちろん、他の中東諸国から比べれば、より質の高い「組織サッカー要素」も魅せてはいる。

それでも、やっぱり、中東のチームであるコトには変わりはなさそう。

それに対してウズベキスタン・・

彼らは、人とボールの動きを高質に連動させるという基本的なイメージで、組織サッカーのテイストを完璧に踏襲しているんだ。

要は、「人とボールの動き」というコレクティブサッカー(組織サッカー)の基本のうち、サウジでは、少し「人の動き」が足りないということなんだろうね。

だから、ハイレベルな組織サッカーでは観られる、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションの機能性レベルが、そんなに高くない。

それに対してウズベキスタンは、「人とボールの動き」が、とてもスムーズに、そして創造的にコラボレートするんだ。

そう、彼らの仕掛けプロセスでは、例外なく、「パス&ムーブ」という単純なワンツーアクション要素を積み重ねていくんだよ。

だからこそ、相手最終ラインのウラに広がる決定的スペースを、うまく攻略していける。

それに対して、個のドリブル勝負のイメージに偏るサウジアラビアは、うまく決定的スペースを突いていけないんだ。

どうなんだろうね・・

とても微妙な表現(形容)だけれど・・

・・サウジは、やはり「個による仕掛けテイスト」が強く、ウズベキスタンは、「組織コンビネーション」によってスペースを攻略していこうとするテイストが強い・・

・・そんなコトが言えるのかもしれない。

でも・・ネ・・

そう、シュートとゴール機会を創りだすという視点では・・

もしかしたら、カウンターとセットプレーが主体のサウジと互角なのかもしれない。

前述したように・・

ゲームの流れは、終始、ウズベキスタンが握っているし、その流れのなかで、創造的なゴール機会を、何度も創りだした。

でも、たまに繰り出すサウジのカウンターやセットプレーの危険度も、とても高い。

そして、そのなかで放つ爆発ミドル弾も、とても鋭い。

そう、この試合での決勝ゴールシーンのようにね。

たしかに、(オフサイドではない位置にいた)ウズベキ選手のカラダに当たってコースが変わる・・というラッキーな決勝ゴールではあったけれど・・

とにかくシュートを打たなきゃ、何もはじまらない・・という基本的な発想の正しさを如実に証明するゴールではあったわけさ。

ということで、ウズベキが負けて、とても残念な筆者だったけれど・・

でも、これで、応援するウズベキが登場する三位決定戦も、とても楽しみになったじゃありませんか。


============

ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

-------------------

あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]