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2021_なでしこ(オリンピック)・・ものすごく厳しい勝負マッチだった・・だからこそ得られた、大会を通じた「ホンモノの成長」につながる「何らかの体感」・・(なでしこvsカナダ、1-1)・・(2021年7月21日、水曜日)

ふ〜む・・

試合後、すぐに、一週間前におこなわれた、オーストラリアとのトレーニングマッチのコラムを読み返していた。

もちろん、開始早々の失点という「レベルを超えたネガティブ刺激」があった。

だから「なでしこ」は、失点の直後から、本来の、攻守ハードワークとリスクチャレンジにあふれた積極的&攻撃的な組織サッカーへアクセル全開。

それでも・・

そう、たしかにボールはキープできる。

とはいっても、肝心のスペース攻略という視点で、何かが足りない。

たしかにボール奪取プロセス(守備)の流れは、いい。

でも、次の仕掛けプロセスでの、(特に!)ボールがないところでのサポートの動き(フリーランニング)が十分ではない。

だから、「人とボールの動き」を加速させられないし、スペース攻略プロセスに「実効」が伴わない。

それじゃ、彼女たち本来の、(ワンツーを積み重ねる!)ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが決まらないのも道理。

そして、「本物のゴール機会」だって、それを創り出そうとする「流れだけ」ってなコトに終わってしまったりする。

でも・・

そう、後半に入ってからは、そんな(ある意味!?)ジリ貧の仕掛けプロセスが好転していったんだ。

まあ、それには、両チームともに、ディフェンスに「疲れ」が出はじめたというコトもあったんだろうけれど・・

でも私は、「なでしこ」の、ボールがないところでのプレーの量と質を左右する「意志のプレー」にスイッチが入ったって感じていたんだ。

リスクを冒し、ギリギリのところで仕掛けていかなければ、何も生み出せない。

不確実なサッカーだからこその「成功メカニズム」・・

選手たち個々が、体感を積み重ねているはずだし、監督の高倉麻子も、口を酸っぱくして意識付けしているはず。

そして、やっと、選手たち個々が、そのコトを思いだし、意志ポテンシャルを充実させることで「本来あるべき姿」となって姿を現しはじめた・・っちゅうことか。

ゴールシーンについては、読者の皆さんで、どこかの動画を探してくださいネ。

とにかく・・

この、自らの闘う意志で掴み取ったドロー・マッチ(勝ち点1)には、貴重な学習機会だったというコノテーション(言外に含蓄される意味)も内包されているんだ。

選手たちは、そこでブチかましたギリギリの「チャレンジ・スピリット」の価値を再認識しただろうし、その主体性プレー(意志のプレー!)による結果も得た。

わたしは、そんな「成果体感」こそが、このゲームで得た、最高の「果実」だったと思う。

オリンピックの「なか」で、何らかの(!?)殻を破り、次のステージへのステップアップ。

そう、ギリギリの勝負を通じてのみ獲得できる「ホンモノの成長・・」ね。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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