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- 2022_池田太ナデシコ(アジアカップ)・・互いのイメージングがうまくシンクロしはじめた後半は、まったく別物サッカーへと脱皮した・・(ナデシコvsタイ、7-0)・・(2022年1月30日、日曜日)
- 池田太ナデシコ・・
監督の池田太がイメージする、ボールを奪い切るサッカー(積極的&攻撃的なボール奪取プロセス!)は、後半になって、やっと、縦横無尽に機能するようになった。
このコラムで採りあげるテーマだけれど・・
それは、「自分勝手なプレーイメージング」に縮こまった個の才能は、チームにとって邪魔以外の何ものでもない・・っちゅうポイントかな。
そう、前半だけで交代した岩渕真奈。
最高潮のときの彼女の「個の勝負能力」は体感しているから、その先発を知って、危険な個人勝負プレーを期待したモノさ。
でも・・
そう、肩透かしもいいところだった。
まず・・
個のドリブル勝負で、まったく相手を「抜き去ること」ができない。
そこには、岩渕真奈をよく知っている日本人のタイ代表チーム監督が、その特長をしっかりと伝えていたという背景もあったはず。
ところで、本物のドリブラーって・・
相手と「静対」した状態から、そのディフェンダーをぶっ千切って背後を取れなきゃ、ホンモノのドリブラーとは、言えないんだ。
それに対して岩渕真奈は、粘り強くマークしつづける相手を、まったく振り切れない。
だから、まさに無為なボールキープってなコトになっちゃう。
そんなだから、彼女がボールを持つことで、ナデシコの人とボールの動きが停滞し、全体的な勝負ゾーンが、どんどん狭められちゃうのも道理だった。
岩渕真奈のドリブル勝負は、あの程度だったんだろうか・・?
以前のイメージが残っているから、残念至極だった。
また、ラストパスをイメージした(!?)、相手に突っかけていくドリブルにしても・・
相手ディフェンスの組織(イメージ)バランスを「乱す」ようなレベルにないから、周りのチームメイトたちの、決定的スベースへの入り込み(意識と意志とイメージング)も、鈍い。
そりゃ、そうだ・・
フルスプリントで決定的スベースへ入り込んだとしても、「そこ」で決定的パスをもらえる期待値が、低いのだから。
とにかく、前半のナデシコは、まさに寸詰まりのサッカーに終始したんだよ。
それに対して・・
(岩渕真奈が交代したことで!?)チーム本来のイメージが、しっかりとかみ合いはじめた後半は、ゲーム展開が、まったくの別物になった。
要は、ボール奪取プロセス(守備)の流れがよくなったことで、次の攻撃「も」大きく加速したっちゅうことだね。
そう、ボールがないところでの動きの量と質が、何倍にもアップしたんだ。
そして、そのことで、ワンツーを積み重ねることで体現される、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション「も」、流れるように機能させられるようになった。
だから、どんどんボールを動かすことで、勝負ゾーンを、自分たちのイメージ通りに演出し、タイ守備を、効果的に振りまわすことができるようになった。
また、スペース攻略の内容アップにともなって、たまに繰り出す個のドリブル勝負の効果レベルも、天井知らずってなレベルまで高揚させられた。
さて、池田太ナデシコは、W杯への切符を手に入れた。
後は、タイトルだけだね。
お互い、池田太ナデシコの、攻守にわたる、フッ切れた組織サッカーを、とことん愉しみましょう。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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