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2024_EURO_1・・ まさに、美しい質実剛健サッカー・・今回のドイツには、天才的なリーディング感性(ダイナミズム!)を放散するユリアン・ナーゲルスマン監督も含め、かな り期待できそうだ・・(ドイツvsスコットランド、 5-1)・・(2024年6月15日、土曜日)

そのとき、鳥肌が立った。

そう・・

ホストカントリー、ドイツの若武者、フローリアン・ヴィルツが、右サイドバック、ヨシュア・キミッヒからの、置くような横パスを、ダイレクトでブチ込んだミドル弾シーン。

この先制ゴールには、さまざまなファクターが、内包されていた。

ゴール機会を(大枠で!)演出したのは、言わずもがなの、トニー・クロースだった。

自軍の深い位置でボールをもったトニー。

そこで「タメ」を演出し、スコットランドの守備ブロック(彼らの意識)を、「そちら」へ引きつける。

そして、何事もなかったかのような「態度」で、ズバッと、キミッヒへの、必殺サイドチェンジパスをブチかますんだよ。

その「何事もなかったかのような態度」こそが、まさに「ノールックパス」に匹敵する、効果を発揮するんだ。

ここで、最初の鳥肌。

そして・・

その大きなサイドチェンジパスを、ピタリとワンタッチトラップでコントロールするキミッヒ。

鳥肌が止まらない。

そして、その瞬間、両チームが動く。

スコットランド守備ブロックは、キミッヒのサイドへ、全体的に「なびいた」んだ。

もちろん、ドイツのツートップは、そのサイドの「決定的スペース」へ、勝負のフリーランニングをブチかます。

それが、勝負の瞬間だった。

あっと・・

そう、「5秒間のドラマ」風の「仕立て」ね。

そして・・

フローリアン・ヴィルツが、逆サイド(左サイド)から、中央2列目に「空いた」スペースへ、決定的フリーランニングをブチかましたっちゅうわけだ。

この、決定的フリーランニングは、人の動きとしては、3人目、4人目に近いモノだったよね。

理想的な、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)じゃ、ありませんか。

わたしは、トニー・クロースによる大きなサイドチェンジパスによる、両チームの「波のような動き」を観ながら、鳥肌が止まらなかった。

要は・・

トニー・クロースがブチかました、大きなサイドチェンジパスによって、スコットランドの守備ブロックが、全体的に「動かされ」ただけじゃなく・・

ドイツも・・

そのスコットランド守備ブロックの「移動」によって空いた、決定的な2列目スペースを、研ぎ澄まされた(体感ベースの!!)感性で、活用し切ったっちゅうわけだ。

その「スペース活用プロセス」の主役は、ヨシュア・キミッヒと、フローリアン・ヴィルツ。

その「イメージング・コンビネーション」こそが、ドイツの伝統的なスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の「最終勝負の鋭い感性」っちゅうわけだ。

言葉にしたら、ものすごく、シンプルなんだよ。

大きなサイドチェンジパスで、相手の守備ブロックを「振り回し」、それによって(意図的に!!)創りだした「2列目スペース」を、シンプルに使い切る。

でも、そこに内包されている、物理的&心理的&攻守イメージング的な「ドラマ」には、深い、深いコノテーション(言外に含蓄される意味)が、込められてるっちゅうわけだ。

いや、ホント、素晴らしかった。

もちろん、相手のスコットランドも、しっかりと予選を勝ち抜いた、強いチームだぜ。

そんな強者チームを、この、ナーゲルマン・ドイツは、(伝統的な感性ベースの!!)人とボールの動きで、翻弄したんだ。

それも・・

長い勝負パス(ボールがないところでのアクションの量と質!!)やダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーション・・

はたまた、そんな組織プレーのなかに、効果的にミックスする、個の「突貫小僧ドリブル」、等などを、駆使してね。

この開幕マッチで魅せた、ドイツのサッカーは・・

伝統的に、強烈に強いボール奪取プロセス(守備)のハイレベル機能性と相まって・・

今回も、強烈な光を放っていた。

これからの、スペイン、イングランド、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、クロアチア、ポルトガルといった、伝統的な「強豪チーム」との、ギリギリのせめぎ合いが、楽しみで仕方ない・・

皆さんも、とことん、楽しみましょう。

それにしても、「J」や代表サッカーもあるし、こりゃ、眠っている暇もない。

フ〜〜ッ・・

へへっ・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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