トピックス
- 2024_EURO_13・・
ブランド国が、最後は(!?)ベストエイトに駒を進めたけれど・・両チームでは、守りに入る相手を「ねじ伏せる」プロセスに、違いが・・(イングランド
vsスロバキア、2-1)(スペインvsジョージア、4-1)・・(2024年7月1日、月曜日)
- イングランド・・
実力で、優るとも劣らないスロバキアが、イングランドを、ギリギリまで追い詰めた。
そう、ゲームの実質的な内容では、スロバキアが、上回っていたとも言えそうなんだ。
特にゲームの立ち上がり・・
彼らは、イングランドを圧倒した。
何といっても、そのダイナミックなボール奪取プロセス(守備)。
選手たちの勝負イメージングが、有機的に「連動」していると感じられる。
だから、ボールへの「寄せ」を起点に、次、その次と、どんどんと、プレスの輪が、効果的に縮まっていくんだよ。
そして、ボールを奪い返してからのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、人とボールを活発に「動かす」ことで、イングランド守備を、翻弄するんだ。
前半の展開・・
まあ、たしかに、イングランドがボール保持率では上回ったけれど、とにかくスロバキアのカウンター気味の仕掛けには、優れたイメージングが満載だったんだよ。
ということで、ゴール機会という視点じゃ、スロバキアが、イングランドを凌駕したと言える。
とはいっても、そこは、サッカーの母国イングランド。
そんな厳しいゲーム展開のなかでも、しっかりと、伝家の宝刀を抜いた。
前半23分。
そう、鋭いクロスと、ハリー・ケインの「ゴールへの臭覚」が、光り輝いたんだ。
その鋭いクロスが「上がってくるかも」という瞬間・・
一歩「引いた」ポジショニングのハリー・ケインが、爆発した。
そう、彼をマークする相手の、「眼前スペース」へ・・
まあ、相手も、負けじと、その最終勝負スペースへ、身体を「ねじ込んだ」ことで、ハリー・ケインのヘッドシュートを、身体に当てて防ぐことができたわけだけれど・・
そのシーンには、何というか、イングランドの伝統の重みを感じさせられていた筆者だった。
でも、先制ゴールは、スロバキア。
前半25分。
後方から最前線への、アバウトな「放り込み」。
それを、クツカがヘッドで流し、そのこぼれ球を拾ったストレレツが、抜群のクリエイティビティを発揮するんだ。
その瞬間、左サイドには、フリーの選手が、身構えている。
イングランド守備は、その逆サイド選手に、守備イメージング(視線)を引きつけられる。
次の瞬間・・
ボールホルダー(ラストパサー)のストレレツは、左サイドのフリーな味方に「視線を飛ばしながら」、後方から、決定的スペースへ走り抜けたシュランツへのラストパスを決める。
このラストパスは、まさに「ウルチカパス」だった。
そして、受けたシュランツが、冷静に、イングランドゴール左隅に、流し込んだっちゅう次第。
素晴らしい先制ゴールではあった・・
その後は、もうイングランドが攻勢の限りを尽くすんだ。
その、50分・・
素晴らしいコンビネーションから創りだしたゴール機会は、オフサイド・・
また、78分の、FKからハリー・ケインが放ったフリーヘッドは、僅かに左ポストを外れた。
81分には、デクラン・ライスのミドル弾が、左ポストを直撃した。
でも、敗色濃厚のイングランド・・
そんなタイミングで、コトが起きた。
ロスタイム95分・・
ロングスローを、センターバックのマーク・グエヒが、アタマで流し・・
そのボールを、ジュード・ベリンガムが、オーバーヘッドキックで(!)、見事に、スロバキアゴールの左へ、ブチ込んだんだ。
オーバーヘッドキックだぜっ!!
その同点ゴールを観ながら、思っていた。
このドラマは、イングランドの勝利となって完結する。
そのとき、わたしは、そう感じていた。
そう、そこから、劣勢の極みだったイングランドが、決勝ゴールをブチ込むっちゅう、ドラマチックな展開へと、ゲームが成長していくんだ。
決勝ゴールだけれど・・
それも、例によっての、ハリー・ケインのヘディングシュートで・・
そのとき、そのシーンが、目に見えるようだった。
ホントだよ・・
へへっ・・
そして延長1分。
まさに、そんな私の変なイマジネーションが、現実のモノになっちゃうんだ。
CKポイントの近くからの、イングランド、パーマーのフリーキック。
上げられたボールを、スロバキアGKが、パンチングで弾く・・
そのボールを、後方にポジショニングしていた(交替した)エゼが、ミドル弾をブチ込もうと、思い切り、足を振り抜く・・
でも、うまく当たらなかったボールが、運よく、ゴール前に張っていた(これまた交替出場した)トニーのアタマへ向かっていく・・
そして、トニーが、ヘディングで、逆サイドへ流したトコロに・・
そう、誰あろう、「あの」ハリー・ケインが、走り込んでいたんだよ。
決勝ゴールッ!!!!
このシーンについて、アベマ解説の、槙野智章が・・
・・ケインは、走りつづけていましたよね・・
素晴らしい解説。
まあ、実際には、ハリー・ケインが、誰よりも速く「爆発」したっちゅうコトなんだけれどネ。
要は、トニーからの、折り返しヘディングが「来るかも」というイメージングで、スッと身体が動いたっちゅうコトね。
槙野智章は、その現象を、「動きつづけていた・・」って表現した。
まさに、おっしゃる通り。
そして、わたしが思い描いた(!?)シナリオで、エキサイティングな逆転ドラマの幕が下りた。
あっ、そうそう、ドラマといえば・・
しつこいけれど、以前、こんな「ストーリー仕立てのドラマ」を、「The Core Column」で、アップしたことがあったっけ。
へへっ・・
さて、引いて守る相手の崩し方・・というテーマ・・
どちらかといったら・・
まあ、「チカラ業」で、「こじ開ける」ってなニュアンスの方が強い、イングランドに対して・・
スペインは、ニュアンス(サッカーのクオリティーに!?)に違いを魅せた。
まあ、簡単に・・
やっぱり彼らの、引いて「守りに入る」相手に対するスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)が、素晴らしく高質でスマートだったという視点。
そう、彼らは、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションに象徴される、美しい組織プレーのなかに、必殺の個のドリブル勝負を、クレバーにミックスするんだ。
その、「組織と個のバランス」には、サッカーの進化&深化を象徴すべき、美しさが溢れていた。
とにかく、彼らが展開した、人とボールの動きが、スマート&クレバーだったんだよ。
堪能した。
まあ、たしかに、先制ゴールは、スペインの自殺点で、ジョージアが挙げたわけだけれど・・
その後のスペインが魅せた、落ち着き払ったスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)は、見事の一言だった。
さて、ということで・・
そんな、強い、強いスペインは、次の準々決勝で、もう一つの優勝候補、ホストカントリーのドイツと対峙する。
これって・・
そう、わたしの眼には、実質的な「決勝戦」と映る。
残念だけれど、仕方ない。
とにかく、この準々決勝には、世界サッカーの進化&深化をうながす、価値あるリソースとして語り継がれる、スーパーエキサイティングな勝負マッチを期待します。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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