トピックス
- 2024_EURO_15・・
ドイツは、強い(美しい!)スペインに対し、フィジカル、テクニック、タクティカル、サイコロジカル、神様エッセンスといった全てのファクターで、勝ると
も劣らない、ホントに立派な、美しい質実剛健サッカーを魅せた・・わたしは、サッカー的な第二の故郷でもあるドイツに対して、心から感謝していた・・(ス
ペインvsドイツ、2-1)・・(2024年7月6日、土曜日)
- 実はわたし・・
1988年、西ドイツで行われた欧州選手権を、現地で体感したんですよ。
その1年後に、東西ドイツが、統一を果たすんだ。
そんな、西ドイツが・・
準決勝で、オランダに敗れてしまった。
私はその悔しい敗戦を、ハンブルクのフォルクス・パルク・シュタディオンで、しっかりと体感した。
もちろん、その後の、ソ連対オランダの、ミュンヘンでの決勝も、観戦した。
そう、「あの」マルコ・ファン・バステンの、歴史に残る、美しすぎるダイレクトボレーシュートも、目の前で「体感」したんだ。
ソ連GKが、「あの」スーパーGKダサエフだったコトも、記憶に残っている。
そのオランダの勝利は、当時のオランダ代表監督リヌス・ミケルスにとっても、唯一の、オランダ代表としての、ビッグタイトルだった。
当時のことを、後に、私のマスターとして親しい関係になった、故リヌス・ミケルスは・・
・・アレは、本当に嬉しかったし、感動したよ・・
そう、個人的に、話してくれたっけ。
ところで、わたし・・
決勝が終了したあとも、スタジアムに残ったんだ(一般チケットだった)。
そして、オランダファンとともに、「ウィー・アー・ザ・チャンピオン・・・」を、歌いつづけたコトを、覚えている。
観客席で親しくなったオランダファンの方(たしか会計士と言っていた)と、肩を組みながら・・
当時は、まだ、リヌス・ミケルスと親しかったわけじゃないけれど・・
とにかく、仕事をオフにして、ミュンヘンまで駆けつけた、その会計士の方と、感動を分かち合うのは、一生の思い出になるはずだと・・
西ドイツを破ったオランダに対する敬意も含めて、「ウィー・アー・ザ・チャンピオン・・」を、歌い続けたのさ。
あっと、言いたかったのは・・
今日のゲームで、ドイツがスペインに負けた後、すぐに、当時の記憶が蘇ったコトだったんだよ。
たしかに、当時は、西ドイツが(準決勝で)負けたことに対する悔しさはあったけれど、それでも、オランダサッカーへのシンパシーも強かったから、自然と、感動をシェアできた・・とかね。
そして、すぐに、アタマのなかは、現実に戻った。
そして、素晴らしく美しい質実剛健サッカーを魅せつづけたスペインに対する、オメデトウの感性も、湧き上がってきたモノさ。
そのコトも、言いたかった。
フ〜〜ッ・・
さて・・
この、世界最高峰の、極限テンション(緊張感)マッチについてだけれど・・
まず、何といっても・・
世界最高の「実力チーム」同士の、攻守にわたって秘術の限りを尽くしたスーパーマッチだったという事実を、反芻しよう。
わたしは、瞬間フリーズを繰り返しながらも、堪能していた。
そして、こんな思いにも、囚われていた・・
・・サッカーでは、瞬間的に、状況が変化しつづけるんだよ・・
・・その状況変化に、何か、戦術イメージング的なバックボーン(要は、机上の空論的なカタチ論!?)を、「はめ込もう」とするのは、愚の骨頂だ・・
そんな思いにかられていたんだ。
もちろん・・
そう、基本的な、チーム&グループ戦術的な「カタチ・イメージング」はあるけれど・・
それでも、選手たちは、そんな「カタチ」に合わせようと、イメージングし、プレーをしているわけじゃない。
彼らは・・
常に、攻守の目的を意識しながら、ポジションニングを変え、瞬間的に、「戦術的にやらなければならないコト」を、「主体的にっ!!」イメージングしつづけているんだよ。
あっ、分かりにくい!?
よくいるじゃない、「トライアングルを作れ〜っ!」とか、がなっているコーチ。
選手たちは、「トライアングルを作ろう」としてプレーしているわけじゃないんだ。
もしそうならば、まさに、狂気の沙汰じゃないか。
選手たちは、あくまでも、スペースを突いていこうとしているんだよ。
そして、うまくコトが運べた結果、トライアングルに「なっちゃってる」っちゅうコトなんだよ。
そう、瞬間、瞬間で、変化をつづけるサッカーでは・・
それぞれの瞬間に、常に、攻守の「目的」を達成するために、何をするのがいいか、考え、判断し、勇気をもってアクションしているわけだ。
そう・・
いま(そして)次の瞬間に、ボールを奪い返すために(味方にボールを奪い返させるためにっ!!)何をするのがベストか、考える・・
いま(そして)次の瞬間に、スペースを突いていくために(味方にスペースを突いていかせるためにっ!!)何をするのがベストか、考える・・
そして、決断し、勇気をもってアクションしていく。
その繰り返しなんだ。
選手たちは、その瞬間、瞬間で、植えつけられている(!?)戦術的なカタチを、少しは意識しながらも、結局は、主体的な(!?)判断と決断で、アクションしていかなきゃいけないんだ。
あっと、ちょっと、リキが入ってしまった。
ということで・・
たとえば、ボール奪取プロセス(守備)では・・
ドイツ&スペスインの両チーム選手は、ものすごく鋭敏な「感性」をもって、次、その次の状況変化を、イメージングしながら(予測しながら)、対応しつづける。
そう、そこじゃ、「最後の半歩というファクター」が、光り輝きつづけるっちゅうわけだ。
そう、予測や読みを繰り返す、主体性プレー・・ね。
両チームともに、この(最後の半歩の!)予測能力が、すばらしい。
世界最高の実力を備えた、ボール奪取プロセス(守備)。
だからこそ、両チームともに、そう簡単には、ゴール機会を創りだせない。
ラストバス(クロス)にしても、ドリブル勝負にしても・・
そして・・まあだからこそ、両チームともに、ミドル弾や、一発クロスからのヘディング、そして・・
スーパースター「ワントップ」への、ロング・タテパスから、そのワントップの「個の勝負プレー」が、ギリギリのゴール機会を創りだしちゃうってなわけだ。
スペインでは、モラータ、ドイツでは、ハバーツ・・
そんな緊迫したゲーム展開がつづくなか、まさに「エッ!」ってな感じの唐突さで、スペインの先制ゴールが決まってしまう。
それは、最後方から、フリーで飛び出してきた、ダニ・オネモが、16歳、ラミン・ヤマルからの、ラスト・グラウンダー・クロスを、ダイレクトで叩いたゴールだった。
それまでの、ものすごく錯綜した「戦術マッチ」から考えれば、まさに、「唐突の極み」ってな、先制ゴールではあった。
その後は・・
もう、「行く」しかなくなったドイツが、77分に、ヴィルツがブチかましたポスト直撃シュートなど、何度も、ゴール機会を創りだす。
でも、決められない・・
そして、ゲーム残り1分というタイミングでコトが起きた。
流れのなかの展開から、左サイドのミッテルシュミットがボールをもった。
同時に、左サイドバックのキャプテン、ヨシュア・キミッヒが、決定的スペースへ、スプリント。
そして、その「右サイド・ポスト際」の決定的スペースへ、ミッテルシュミットが、サイドチェンジのクロスボールを送るんだ。
ものすごく高く飛び上がった、キミッヒ。
そのヘディングから放たれたボールが、猫の額のようなスペースで、フリーになっていたヴィルツの足許へ飛んでいった。
そしてヴィルツは・・
迷わず、右足を、ダイレクトで振り抜いたんだ。
そのシュートが、スペインゴールの左ポスト内側を叩いたっちゅう同点ゴールではあった。
その後はいった延長でも、最高レベルのエキサイティング勝負マッチが、繰り広げられた。
そう、互いに攻め合う、最高テンションの勝負マッチ。
そのなかでドイツが、何度も、ゴール機会を創りだしたけれど・・
最後は、スペインの、一発クロスからのヘディングで、やられてしまう。
まあ、その間にも、いろいろとあったけれど、とにかくタイムアップの笛が吹かれた後は、もう得られるモノは、何もない。
レフェリーを務めた、イングランド、アンソニー・テイラーさんは、ホントに素晴らしい笛を吹いた。
同じサッカー仲間として、両チームだけじゃなく、テイラーさんに対しても、称賛と感謝の拍手をおくります。
最後に、ドイツ・・
「あの」強烈に強い(美しい!)スペインに対し・・
フィジカル、テクニカル、タクティカル、サイコロジカル、神様エッセンス・・
その全てで、まったく勝るとも劣らない、ホントに立派な、美しい質実剛健サッカーを魅せた。
わたしは、サッカー的な第二の故郷でもあるドイツに対して、心から感謝していた。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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