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- 2024_EURO_3・・タイムアップ後のシーンを体感しながら、2011年と2014年に行われた、W杯決勝のコトを思いだしていた・・あっ戦評・・やっぱり、オランダは強かった・・以上・・(ポーランドvsオランダ、1-2)・・(2024年6月17日、月曜日)
- そりゃ、オランダの方が、チカラは、上だよ。
たしかに、フィジカルとかサイコロジカルという側面じゃ、互角だろうけれど・・
テクニカル、スキル、タクティカルといった、サッカー根源的なファクターでは、ポーランドとの実力差は、明らかなんだ。
とにかく・・
スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での、人とボールの動きのレベルが、大きく、違う。
もちろんポーランドのボール奪取プロセス(守備)は、忠実だし、パワフル&ダイナミック。
だから最初は、「あの」オランダだっで、そう簡単には、ウラのスペースを突いていけないだろうな〜、なんて思っていた。
でも実際には・・
そう、オランダは、ポンポンとボールを動かし、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションから、何度も、スペースを攻略してしまうんだ。
それだけじゃなく、ヤツらは、そんな組織プレーに、ものすごく効果的に、個の「突貫小僧ドリブル」もミックスする。
とにかく、そのサッカーの軽快さといったら、「才能の故」としか表現のしようがない。
それに対して、ポーランドの「動き」は、ぎこちないコト。
でも、そんなポーランドが、先制ゴールをブチ込んじゃうんだ。
前半16分・・
コーナーキックから、ニアポストゾーンで、ブクサが放った「フリック・ヘッド」が、ゴールのファーポストゾーンに吸い込まれていったんだ。
ちょっと、ピックリした。
でも、まあ、その失点が、オランダの「猛火」を焚きつけるんだよ。
そこからのヤツらの「人とボールの動き」は、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)へ参加してくるみ人数が倍増したってな感覚におちいるほどだった。
そして逆に、ポーランドの動きが、どんどん減退し、押し込まれつづけるんだ。
いったいオランダは、いくつの「決定的ゴール機会」を創りだしただろう。
それでも実際のゴールは、二つだけだった。
まず前半30分、ガクポが、すごい迫力のドリブルシュートをブチ込んだ。
これで、同点。
そして、後半38分に、ウェフホルストが、ダイレクトでブチ込んだ決勝ゴール。
ところで、ポーランド・・
同点ゴールを奪われてからは、その実力からしたら、分不相応なまでに、積極的&攻撃的に、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)にブチかまし、はじめたよね。
もちろん、そのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、スムーズな「人とボールの動き」が魅せられるワケじゃない。
そうではなく・・
あくまでもシンプルに、足許パスをつなぎながら、サイドゾーンにボールを運び、そこから、これまたシンプルなタイミングで、クロスを送り込むんだよ。
また彼らは、アバウトな放り込みや、ミドル弾にも、チャレンジしていた。
だから彼らも、それなりの「危険度」のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)は、展開できていた。
そりゃ、そうだ。
彼らもまた、厳しいヨーロッパ予選を生き抜き、このドイツ本大会に参加してきたのだから。
あっと、ポーランドのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)について、言いたかったコト・・
それは、彼らの「仕掛け方イメージング」が、とても強固に「統一」されているというコト。
だから、ツボにはまったら、危険この上ない。
どこかのコラムで書いたけれど・・
わたしの師匠でもあった、ドイツの歴史的レジェンドプロコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーが、こんな「教え」を授けてくれたコトがあった。
・・いいか、どんなサッカーだって、チーム一丸となり、徹底的に、そのやり方を追求していけば、確実に、勝てるサッカーになるモノなんだ・・
・・そのサッカーが、「質的」に、低級であったとしても、ネ・・
とにかく・・
ポーランドは、注意ぶかくボール奪取プロセス(守備)を構築しながら、次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、そんな徹底サッカーを、忠実に展開しつづけたんだよ。
そして、徐々に、攻撃の「危険度」をアップさせていった。
そのプロセスは、とても興味深くもあった。
ということで、最後に・・
あれ程のゴール機会を創りだしたオランダが決められたのが、たったの「二つのゴール」だけだったという事実の背景を探ってみようか・・
もちろんポーランドの、徹底的な「粘りディフェンス」もあったわけだけれど・・
オランダが、チャンスを「実際のゴールに結びつけるのに苦労する・・」というのは、そこに、彼ら特有の「伝統的な背景」も、ありそうな・・
そう、彼らは、結果ではなく、あくまでもプロセスを(その美しさを!?)大事にし、それを、楽しむ傾向が強い・・って言われているんだよ。
どうなんだろうね・・
ちなみに私は、1988年ヨーロッパ選手権の決勝(オランダ対ソ連)を、ミュンヘンでライブ観戦したんだ。
そして・・
オランダが優勝した後、オランダ人が、ミュンヘンのオリンピックスタジアムに残りつづけ・・
そして、「ウィ〜、ア〜〜、ザッ、チャンピオン〜〜」っていう、超有名なミュージックを、延々と歌い続けていたんだよ。
とても感動的なシーンだったから・・
わたしも、一緒に、歌いながら、すくなくとも2時間、3時間は、そこに止まり、オランダ人と喜びを分かち合ったという思い出がある。
その感動は・・
2011年ドイツ女子W杯の決勝(フランクフルト)、リオ・デ・ジャネイロで行われた2014年ブラジルW杯決勝にも、通じるモノがあった。
わたしは、この二つのW杯ともに、現地で観戦し、その後、数時間は、メディアシートにとどまり、余韻を楽しんだんだ。
当時のコラムについては、「コレ」とか「アレ」の、コラムリストから探してくださいネ。
ということで、今日は、こんなトコロです。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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