トピックス


2024_EURO_8・・ブランド国が、順調に駒を進めた・・そして、そこには、確固たるバックボーンがあった・・(トルコvsポルトガル、0-3)(ベルギーvsルーマニア、2-0)・・(2024年6月23日、日曜日)

ブランド国が、順調に駒を進めた・・

順調・・

そこには、たしかに、確固たるチカラの差(バックボーン)が見えていたんだよ。

まず何といっても、ボール奪取プロセス(守備)。

ポルトガルでも、ベルギーでも、とにかく全員がハードワーク(仕事)を、積極的&攻撃的に、探しまくっていた。

もちろん、ポルトガルの英雄、クリスティアーノ・ロナウドを、除いてネ。

へへっ・・

このハードワークの意味合いだけれど、その本質はチェイス&チェック(寄せ)にある。

両チームともに、相手のボールの動きを「予測」しながら、「外郭的」に、寄せていく。

もちろん、相手にリードされ、時間が「押している」ような危急状況になれば、「寄せ・命」ってな感じに、激しい勢いで、前からプレスをブチかますよ。

それでも・・

まあ、状況に応じてという感じの柔軟性があるっちゅうワケだ。

でも、ひとたび・・

そう、誰かが「寄せ」はじめたら、周りのチームメイトたちも、必ず、連動する。

その連動性もまた、ブランド国でありつづけられるバックボーンなんだよ。

そう、「内容」と「結果」のバランスが、しっかりと執れているコトで、世界のエキスパートから評価されるという、外郭的な「雰囲気」ね。

フットボールネーションじゃ、概して、徹底(戦術)サッカーは、高く評価されないんだ。

そうではなく・・

そう柔軟な「主体性プレー」こそが、高く評価されるんだよ。

あっと、ボール奪取プロセス(守備)。

そこでの「連動性」こそが、ボールを奪い返すキーポイントだというハナシ。

コト(寄せ)がはじまる雰囲気がでてくる・・

その気配を察し、自分が「意識」する相手への間合いを詰めたり、しっかりとタイトにマークしたりする。

それは、まさにコンマ何秒の世界なんだ。

だからこそ、「寄せの雰囲気」を察する(周りと共有する!)コトが大事。

そんな連動性以外でも・・

ボールがないところでのマーキングや、危急状態での協力プレス、その「輪」を創りだす、選手たちの動きの「クリエイティブな集散」などなど、大事なファクターのオンパレードさ。

そして最後は、「予測能力」とも呼べる「最後の半歩ファクター」というテーマが注視される。

そんな、ボール奪取プロセス(守備)における様々な重要ファクターで、ブランド国は、秀でているんだよ。

まあ、負けたトルコやルーマニアにしても、その視点では、とても優れたチカラを有している。

とはいっても、マーキングとかカバーリング、協力プレスといった、ボールを奪い返す「最後の半歩ファクター」では、やっぱりブランド国の後塵を、微妙に「拝して」いたと感じたわけさ。

またスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも・・

そこでの、もっとも大きな「差」は、やっぱり、バランスにありだと感じた。

組織プレーと、個人の勝負プレーのバランス。

互いのポジショニングに対するバランス。

互いの、使い、使われるコトに関する、バランス感覚。

スーパースターの、並外れた「才能」を、(自分が犠牲になって!?)チームのために活用し切ろうとする、心理・精神的なバランス感覚。

まあ、それらは、「意識と意志のチカラ」とも、表現される。

そんな優れたバランス感覚こそが、「組織プレー」の絶対ベースだという事実を言いたかった。

それが、十分に機能しているからこそ・・

ボールがないところでのアクションの量と質をアップさせられ・・

ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションに代表される、パスによる最終勝負だって、効果的にブチかましていけるわけだ。

そう、ワンツーの積み重ね、3人目、4人目のフリーランニング・・などなど。

ということで、最後のポイント・・

それは、心理・精神的な「せめぎ合い」ってな視点。

要は、ブランド国の「強さ」を体感した相手の、心理・精神的な状態の変化・・ね。

そりゃ、チカラの「微妙な差」を体感させられつづけた相手は、物理的にも、徐々に「動き」が落ちていくモノだよね。

この両ゲームでも・・

ポルトガルとの、またベルギーとの間にある「微妙なチカラの差」を体感させられた、トルコとルーマニアは、たしかに、フォームが徐々にダウンしていったと感じた。

現象面では、やはり・・

そう、ボール奪取プロセス(守備)でのチェイス&チェック(寄せ)や、ボールがないところでのマーキング、カバーリングの「勢い」に、ネガティブ傾向が観られるようになったんだよ。

そんなテーマにおいても・・

サッカーが究極の心理ボールゲームという真実を、体感させられたモノさ。

ということで、今日は、こんなところですかね。

チカラが上のチームが勝利を収めてハッピーだった反面・・

そのチカラの差を、地道に埋めていく作業の「大変さ」を知っている身として、切実な「重たい思い」に、まとわりつかれたものさ。

へへっ・・


============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





[ トップページ ] [ Jワンポイント ] [湯浅健二です。 ]
[ Jデータベース ] [トピックス(New)] [ 海外情報 ]