トピックス
- 2024_
オリンピック決勝・・このゲームは、様々な意味合いで、私にとっても、有意義な「学習機会」だった・・最高のサッカーを魅せてゴールドに輝いたスペイン
に、心からの称賛と感謝の拍手をおくります・・(フランスvsスペイン、 3-5)・・(2024年8月10日、土曜日)
- すごい決勝だった。
両チームのサッカー内容も、そうだったけれど、ドラマ性も含めて、これまたサッカー史に残るゲームになったと思う。
その立ち上がり・・
そこでは、前からプレスをブチかます、ホスト国フランスが、イニシアチブを握る。
その「勢い」は、まさに、飛ぶ鳥を落とす勢い。
大会前に、日本とぶつかった親善マッチでも書いたけれど、やはり、ホスト国フランスの心理パワーは、抜きん出ているというコトなんだろうか。
彼らの強さのバックボーンは、何といっても、ボール奪取プロセス(守備)の強さ。
決勝までの両チームは・・
ゴール数こそ同じ(11ゴール)でも、失点数は、スペインの「4」に対して、フランスは、たったの「1」だったんだ。
それだけじゃなく・・
そんな強いホスト国が、前半11分に、先制ゴールまで奪ってしまう。
フランス選手たちは、そこまでのゲーム展開の内実(体感!?)も含めて、ある意味の「確信」を、深めたんじゃないだろうか・・
・・よしっ、オレたちは、いける・・
でも、そこは、不確実なファクター満載のサッカーだからネ・・
そう、そんな確信は、逆に、心に「スキ」を創りだすモノなんだよ。
その、フランス先制ゴールの7分後のこと。
ゴール前で、完璧にフリーになっていたフェルミン・ロペスに、まさにラストパスってな趣(おもむき)の、素晴らしいグラウンダークロスが送り込まれるんだ。
迷わずダイレクトで、フランスゴールの左隅へ、流し込むフェルミン・ロペス。
そのゴールを観ながら・・
・・あっ、この失点は、これまでのフランスにはなかった、あり得ないポジショニング(マーキングの)ミスだった・・
・・そして思った・・
・・フランスは、立ち上がりのゲーム展開、そして先制ゴールで、かなり、気持ちが「緩んで」しまったということか・・
とにかく、「あの強いフランス守備」の、あり得ないマーキングミスには、驚かされた。
2列目から、スルスルッて上がってくるフェルミン・ロペスを、誰も、マークしていなかったんだよ。
それだけじゃない。
フェルミン・ロペスへの「ラスト・グラウンダークロス」を決めた、アレクス・バエナも、まったくのフリーだったんだ。
そして、そのゴールから、ゲームが、「あらぬ方向」へと成長していった・・
・・と、わたしには、感じられた。
一つのゴール(フランスの先制ゴール!)が、さまざまコノテーション(言外に含蓄される意味)を内包する「ドラマ」へと、エキサイティングな物語を、綴(つづ)りはじめる!?
フムフム・・
とにかく、同点ゴールシーンでの、フランス守備が冒した「マーキングミス」は、いただけなかった。
そのコトを、もっとも切実に体感していたのは、言わずもがなの選手たち。
ところで、そのマーキングミスだけれど・・
そんなミスは、どんな瞬間でも、起きつづけているのは、確かな事実なんだ。
だから、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では・・
常に、「できつつあるスペース」や「フリーになるはずのチームメイト」に対して、着実な「共有イメージング」を、鋭く、研ぎ澄ましておくコトが、ものすごく重要ってわけだ。
それこそ、普段のトレーニングでの、最重要テーマに据えるべき・・
まあ、いつも書いている、イメージング・シンクロの、進化&深化っちゅうコトだね。
あっと、そこからのゲーム展開・・
特に、フランスのボール奪取プロセス(守備)・・
わたしは、その機能性(忠実な連動性!?)に、微妙な「乱れ」を感じていたんだ。
それもまた、不確実なファクター満載のサッカーが、究極の「心理ボールゲーム」であることの証明でもあるわけだけれど・・
そう、そこから、スペインの、人とボールの動きが、冴えわたっていくんだよ。
逆から観れば・・
フランスのボール奪取プロセス(守備)における、忠実さや、読み、また互いの「イメージ・コンビネーション」の乱れとも言えそうだけれど・・
そしてゲームの内実が、どんどんとエキサイティングに成長していくんだ。
スペインの逆転(スーパーFK)ゴール・・スペインの追加ゴール・・
前半28分の段階で、スペインが「1-3」のリードを奪っちゃったんだよ。
後半・・
そう、サッカーが秘める、究極の心理ボールゲームという側面と、ドラマ性の、面目躍如。
ゲームを支配する、リードされているホスト国フランス・・
でもスペインは、決して、「引いて守る」なんていう受け身で消極的なディフェンスとは無縁のプレー姿勢でボールを奪い返しつづける・・
そして彼らは、「必殺」という雰囲気に充ちた危険なカウンターもふくめ、しっかりと人とボールを動かしながら、組織的に仕掛けていく。
もちろん時間の経過とともに、フランスの「勢い」が増幅していったのは、当然の流れだよね。
そして79分・・
フリーキックから(まあラッキーな!?)追いかけゴールを奪っただけじゃなく、ギリギリの後半ロスタイムに、VARで勝ちとったPKを決めて同点に追いつくんだ。
そしてゲームに、ドラマチック・エネルギーが充ち満ちていく。
突入した延長。
そこで私は、やはり、地力では、スペインに軍配が挙がるなと感じていた。
彼らが魅せつづける、人とボールの動きに、一段も二段もギアアップした、勢いが乗っていくんだよ。
わたしは、そんなゲーム展開を観ながら、フランスが、後半にブチかました同点ドラマ「まで」で、エネルギーを使い果たした・・って感じていた。
そして・・
そう、スペインが、延長に入ってからのゲーム展開の内実からすれば、まさに「順当」ともいえそうな、連動性の極みともいえる、テクニカルな決勝ゴールを挙げるんだ。
延長前半10分・・
途中出場のセルヒオ・カメリョが、それまで魅せつづけた、人とボールの動きに象徴されるスペインサッカーの存在感を、魅せつけたっちゅうわけだ。
まさに、美しい人とボールの動きを締めくくる、美しいテクニカルゴールではあった。
その後もスペインは・・
GKからの「一発カウンター」で追加ゴールを挙げ、「3-5」にまで、スコアを積み上げていった。
そして結局スペインが、内容的にも、まさに「順当」といえるゴールドメダルを勝ちとった。
わたしは、そんな強いスペインを観ながら、日本との準々決勝コラムや、EURO決勝コラムを、読み返していた。
たしかに今は・・
美しく魅力的な質実剛健サッカーという意味合いで、たしかにスペインが、世界のリーダーと言えそうだね。
とにかく・・
このゲームは、様々な意味合いで、私にとって、とても有意義な「学習機会」だった。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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