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2024_天皇杯決勝・・筆舌に尽くしがたい、意識と意志ポテンシャルが凝縮した、美しい質実剛健サッカーだった・・同じサッカー人として、心からの称賛と感謝の拍手を、おくります・・(ガンバvsヴィッセル, 0-1)・・(2024年11月23日、土曜日)

ものすごく「濃厚」な勝負マッチだ・・

観はじめて、すぐに、そんなインプレッションに、アタマが占拠された。

とにかく、両チームともに、攻守にわたって、最後の最後まで、ものすごく集中しているんだよ。

集中・・

もちろんそれは、両チームが放散しつづけた、ハイレベルな「意識と意志ポテンシャル」が集約した、グラウンド上の現象のこと。

両チームによって、攻守にわたる、極限の「局面デュエル」が繰り広げられるのも道理。

たしかに、チーム総合力では、微妙に、ヴィッセルに一日の「長」を感じる。

それでも、ゲーム全体を見渡せば、その微妙な「長」が、そんなに大きな意味を為さないとまで感じられてくるじゃないか。

それほど、極限テンションが支配する勝負マッチだったんだよ。

ホント、手に汗にぎりつづけた。

もちろん、そんな「魂の闘い」における内実は、積極的&攻撃的ボール奪取プロセス(守備)に、集約される。

攻守の切り替え(トランジション)・・

瞬間的にブチかます強烈なチェイス&チェック(寄せ)・・

粘り強い局面デュエル・・

ボールがないところで繰り広げられるマーキングやカバーリング・・

協力プレスの集散・・

そして「最後の半歩というファクター」などなど・・

それらすべての守備アクションにおいて、誰一人サボらず、全力で、仕事を探しつづけた。

そうなんだよ・・

この感動的なインプレッションの絶対ベースは・・

両チーム選手たち全員が、攻守ハードワークやリスクチャレンジという「仕事」を、自分から(!!)探しまくったコトなんだ。

そう、究極の「主体性プレー」が集約されていたのが、この、スーパーエキサイティングな勝負マッチの、絶対ベースだったっちゅうことさ。

まあ、細かなプレーについては、いつものように、後で、見直すとして・・

とにかく、最初のインプレッションだけは、簡単にまとめようと、キーボードに向かった次第。

それでも、最後に・・

両チームから、一人ずつ、極限の主体性プレーを魅せつづけた選手を、ピックしたい。

優勝した、吉田孝行ヴィッセルからは、酒井高徳。

彼の「ファイティング・スピリット」は、何度、チームを、逆境から救い出したことか。

華麗なプレイヤーじゃない。

それでも、彼の、最高レベルの「粘り」をブチかます「オーラ」というか、リーダーシップは、レベルを超えている。

ハンブルガーSVで、監督から請われてキャプテンを任されたのも、頷けるじゃないか。

また、ポヤトス大阪ガンバからは、ボランチを主戦場にする、ダワンをピックしたい。

わたしは、攻守にわたって、ものすごく実効レベルの高い「黒子」として大活躍するダワンへのレスペクトを惜しまない。

そんなダワンが、この勝負マッチでは、目立たない攻守ハードワークを積み重ねるなかで、「ここぞっ!!」の一瞬に、スターになりかけたんだ。

その、もっとも大きな瞬間が、後半31分にブチかましたヘディングシュートだった。

誰もが、「あっ、ゴールだっ!!」って、確信した決定的チャンス。

そのヘディングシュートが外れたことが、信じられなかった。

また彼は、前半にも、同じように、2列目から飛び出し、決定的ヘディングシュートをぶちかました。

わたしは、ドイツでの現役時代に同じポジションを務めたコトもあって、彼に対するシンパシーで一杯だった。

ということで、締めだけれど・・

それは、この2チームが、来シーズンも、主役の一角を担うに違いないというコト。

もちろん、城福浩ヴェルディや、スコルジャ浦和レッズにも頑張って欲しいし、アントラーズやフロンターレの復活も、願っている。

とにかく、来シーズンも、楽しみが詰まっているっちゅうコトが言いたかった。

へへっ・・

この、スーパーエキサイティングマッチだけれど・・

それは、意識と意志ポテンシャルが、筆舌に尽くしがたいほどの密度に凝縮した、美しい質実剛健サッカーだったっちゅうことだね。

堪能させてもらった。

同じサッカー人として、心からの称賛と感謝の拍手を、おくります。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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