湯浅健二の「J」ワンポイント


2017年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第20節(2017年8月5日、土曜日)

 

ミハイロと(ほぼ)同じ志向ベクトル上をすすむ堀孝史レッズ・・(レッズvsアルディージャ、2-2)

 

レビュー
 
・・フムフム・・堀孝史新監督は、期待通り、良い仕事をしている・・

レッズのサッカーを観ながら、そんなコトを考えていた。

もちろん、レッズの「変な」先制ゴールや、アルディージャがブチ込んだ「交通事故の」同点ゴールはディスカッションする必要はないでしょ。

それに対して、レッズの勝ち越しゴール(2点目)は、菊池大介が魅せた「エイヤッ!!」のドリブル勝負&正確トラバースクロスも含めて、とても価値のある得点だった。

あっと・・

そう、後半43分に、粘りに粘るアルディージャがブチ込んだ同点ゴールもまた、賞賛に値する。

ゴールゲッターは、瀬川祐輔。

たしかに、西川周作の眼前で「うまくバウンド」してアタマを越えるという幸運には恵まれたけれど、それが見事なヘディングゴールだったことに異論はない。

何せ、瀬川祐輔の、マークする遠藤航の背後から「その眼前スペース」へ回り込む決定的な動きがツボにはまったわけだからね。見事と言うほかない。

あの失点は、遠藤航にとって、とても苦い学習機会になったはず。

そう、次のステージへ進むための前向きの(苦痛の!?)学習。

とにかく、そんな(ギリギリの)デュエル敗戦の体感を積み重ねることでしか「世界レベル」に到達できないことは、サッカーの歴史が証明している通りなのさ。

ところで・・

冒頭に書いた、堀孝史さんの「良い仕事」というテーマだけれど。

その第一は、何といっても、ディフェンス仕事コノテーション(言外に含蓄される意味)の明確な改善にあった。

そう、私は、特にディフェンスでの「最後の一歩」が伸びるようになったって体感していたんだ。

このテーマについては、帰国早々にアップした「このコラム」もご参照あれ。

あっと・・蛇足だけれど・・

ミハイロ退任については、「The Core Column」でつい先日にアップした、「真のバランス感覚」というタイトルのコラムの冒頭で所見を述べたから、「そちら」も参照してください。

ということで、レッズの守備の改善。

とにかく、局面デュエルの内実がアップしただけじゃなく、チェイス&チェックが忠実になり、周りの連動アクションも効果的になった。

要は、簡単にタテパスを出させないだけじゃなく、その受け手のところで、しっかりと「潰せて」いたっちゅうことなんだよ。

だから、「そこ」からの効果的ショートカウンターもブチかませていた。

また、マーキングやカバーリング、協力プレッシング守備を機能させる「連動アクションの集散」などについても、明確な改善の跡がみられたよね。

そう、「そこ」に、選手たちの強い意識と意志が感じられたというわけさ。

そんな強い意識と意志(チームのモラル)が崩壊していないことについては、前節のコンサドーレ戦でも感じられたっけね。そのコラムについては「こちら」をご参照あれ。

ということで、改善された守備。

先制ゴールや勝ち越しゴールの後、たしかにアルディージャにイニシアチブは握られたけれど、それでも、「これ」といったピンチは、ほとんど創られなかったんだよ。

たしかに、前述したように、瀬川祐輔に一瞬のスキを突かれてしまったけれど(交通事故だったアルディージャ1点目は論外だけれど・・サ)、それ以外は、とても安定した守備を魅せていたんだ。

何か、エレベーターの中や記者室じゃ、「なんだ・・何も変わっていないじゃないか・・いつもの悪いパターンだよ・・」等といった声が聞こえてきたけれど、私は、堀孝史さんがマネージした、(意識と意志の!!)変化を、肌身に感じていたっちゅうわけさ。

まあ、良かった・・

あっと、最後に・・

堀孝史さんは、ミハイロが、5年半かけて構築した、守備と攻撃の「基本的なやり方」は変えず、それをベースに、自分なりの修正を加えていく・・という方針を示しているらしい。

それもまた、私が、ホッと胸をなで下ろすことが出来た心理バックボーンだった。

ということで、ここからのレッズは、少し「余裕」をもって、真の発展を目指したサッカー内容の本格的な再構築と進化(深化)に取り組みましょう。

とにかく、志向ベクトルがしっかりとしているわけだから、焦らず、地道な努力を積み重ねていれば、おのずと結果はついてくるさ。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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