湯浅健二の「J」ワンポイント


2022年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第24節(2022年8月6日、土曜日)

 

このゴール大差は、決してゲーム内容を、正確に反映したモノじゃなかった・・でも、そこには、着実な要因は、あった・・(グランパスvsレッズ、3-0)

 

レビュー
 
まあ、たしかに、ゲーム内容からすれば、「3点差」は、大き過ぎたよね。

リカルド浦和レッズも、特に後半は、しっかりと美しい質実剛健サッカーを魅せたわけだから。

とはいっても・・

たしかに、リカルド浦和レッズでは、攻守にわたる「ダイナミズム」というか、爆発的な「積極性や攻撃性プレー」という視点で、かなり不満はつのった。

・・もっと寄せられる・・もっと激しくいける・・

・・もっと、協力プレスへの集散を激しく・・

・・もっと積極的&攻撃的に、スペースへ走り込まなきゃ・・

・・もっと、リスキーなパスを(レシーバーも含めて!)しっかりと狙っていなきゃ・・

・・等など。

どうも、不満のタネが尽きなかったんだよ。

まあ、それには・・

長谷川健太グランパスが、とてもスマートに、ボール奪取プロセス(守備)での、人数&ポジショニングバランスを執りつづけたという背景も、ある。

もちろん・・

そう、「あの」レオ・シルバの指揮のもとに・・ね。

まあ、レッズサイドからすれば、もっと、もっと、リスク・チャレンジ(タテ)パスをブチ込むべきだった・・ってなコトになるんだろうけれど、さ。

とにかく、リスク・チャレンジのないところに、進化&深化も、ない・・というのは確かな事実なんだ。

とはいっても・・

グランパスに、「リスクチャレンジへの意志」がより強かったかといったら、そんなコトもない。

でも彼らには、相馬勇紀、永井謙佑、マテウス・・といった、「飛び道具」がある。

そして彼らは、長谷川健太というストロングハンドを中心に、「その使い方」を、心底、理解し、イメージングをシンクロ連動させている。

そんな、「徹底」サッカーもまた、勝負強さの源泉っちゅうわけだ。

逆に、リカルド浦和レッズでは、「個のイメージング勝負ツール」が、キャスパー・ユンカー「しか」いないことで、ソコを抑えられたら、仕掛けの流れに、「広がり」をもたせられない。

このディスカッションは、とても微妙なんだよ。

人とボールを活発に動かす、クリエイティブな組織サッカーを標榜する(!?)リカルド浦和レッズ。

それは、サッカーの基本だし、それによってスペースを攻略できれば、もちろん、もてる「個の才能」も、存分に活かしていけるでしょ。

でも、その志向ベクトルが・・

個の才能を中心にし「過ぎ」たりなど、様々な意味合いで「中途半端」になってしまったら・・

そう、このゲームについて私は・・

「組織と個のバランス」をうまくマネージできなかったコトで・・

攻守にわたる(!!)人とボールの動きが、十分に「加速」していかなかった・・

という印象をもっているのさ。

だから、グランパスの、老練なボール奪取プロセス(守備)に、前への勢いを抑制されたことで、スペースを攻略できないっちゅう「体たらくサッカー」に陥ってしまった!?

そう、前述したように、「人とボールの動き」が、不十分の極みだったんだよ。

とはいっても・・

最初にも書いたように、このゲーム内容からすれば、「3点という大差」はあり得ないと、言えるかも知れないけれど・・さ。

まあ、このゲームについては、こんなところです。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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