湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2023年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第9節(2023年4月23日、日曜日)
- この、「静的なせめぎ合いマッチ」を観ながら、すこし「オフサイド」なディスカッションに入ってしまった・・(フロンターレvsレッズ、1-1)
- レビュー
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- フ〜ム・・
この試合・・
見まがうことなく、リーグ最高峰のコンテンツ、テンコ盛りだった。
ものすごくハイレベルな、フィジカル、テクニカル(スキル)、タクティカル・・
でも・・
そう、「ツキ」という神様ファクターは除き、どうも、「サイコロジカル」という視点で、落ち着き「過ぎ」ていたのかもしれない・・なんて、感じていたんだよ。
そう、昨日の、ヴィッセル対マリノス戦と、比べて・・ね。
両チームともに、フィジカルやテクニック(スキル)じゃ、リーグ最高峰でしょ。
それに、優れたプロコーチに率いられて、タクティカル(戦術プラン)も、とても優れている。
でも、なんか、「カタチ」に嵌(は)め込まれ「過ぎ」だったって感じたのは、私だけじゃないはず。
要は・・
ゲームの中で、守備が「あっ、ヤバイッ!!」って浮き足立つような「大ピンチ」に陥るエマージェンシー場面が、ほとんどなかったんだ。
両チームともに・・ね。
そう、素晴らしく主体的で、効果的なボール奪取プロセス(守備)を魅せた両チームなんだよ。
それは、それで、素晴らしく価値あるコトではあるんだけれど・・
だからこそ・・
そう、もっと、もっと、「エイヤッ!!」の、リスクチャレンジシーンが、観たかったわけさ。
もちろん・・
両チームのリーグ状況や、特に、ACL決勝に臨む、マチェイ浦和レッズが置かれている状況を考えれば、今日のような「ステディー勝負」姿勢は、ものすごく大事ではあるんだけれど・・さ。
フ〜ム、難しいネ・・
私は、常日頃、「カタチから入っちゃいけない・・」なんて、主張している。
そう、戦術サッカーで、選手たちの可能性を、アタマから抑えつけちゃいけない・・
そして、もっと、もっとリスクチャレンジを・・
ってな感じ。
「それ」がないところに、進化・深化など、臨むべくもないんだよ。
とはいっても・・
もちろん、戦術プランは、大事。
でも、チャンスを見計らう「マインド」は、とても大事なんだ。
そう、可能性が、とても低いとしても、「フッ切れた、エイヤッ!勝負」のチャンスを、積極的&攻撃的に探しまくり、「勇気」を振り絞るリスクチャレンジをブチかますんだ。
それは、やる方にとっても、観る方にとっても、サッカー魅力の本質だからサ。
微妙だよね、このディスカッションは・・
決してわたしは、「リスクチャレンジのないところに・・」ってなニュアンスばかりを前面に押し出すような「原理主義者」では、ありません。
もちろん、戦術サッカーだって、必要なときは多いんだよ。
でも、「それだけ」で、選手たちの「内面」を規制し「過ぎ」ちゃ、いけないんだ。
そう、彼らが、主体的に、「エイヤッ!」のリスクチャレンジを、ブチかましていく「勇気」は、常に、与えつづけられなきゃいけないって思うんだよ。
もちろん、最後は、バランス感覚だよ、バランス感覚。
能力的に「できない選手たち」に対して、「過ぎた」要求をぶつけるのは愚の骨頂だよね。
でも、高い「目標イメージ」を与えられなきゃ、サッカーコーチは、失格なんだ。
ということで、このコラムの骨子ディスカッションは・・
進化&深化っていうニュアンスも含む「成功体感」を掴み取るために、優れたバランス感覚が、とても重要だっちゅうコトかな。
その「バランス感覚」は、どんな社会生活においても、もっとも大事なファクターの一つではあるよね。
さて、ACL決勝に臨む、マチェイ浦和レッズ。
マチェイ・スコルジャは、とても、良い仕事をしている。
そして、カチッと決まった(成果を出せる!!)チームを「まとめ」あげている。
チームを、「勝ちニュアンス」の方が強い戦術プランで、高い次元に「固める」っていう要素も、含めてネ。
だから、いまは、もっと魅力的なリスクチャレンジを・・なんて、野暮は、言いません。
でも、マチェイの理想イメージが、「美しく勝つこと」であるという捉え方は、たぶん、間違っていないって確信しているのさ。
今日は、ちょっと、「オフサイド」なディスカッションに入ってしまった。
とにかく、ACL決勝では、後悔することのないサッカーを、魅せて欲しいネ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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