湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第20節(2024年6月26日、水曜日)

 

このゲームは、グランパスに、ほとんどゴール機会を創らせず、逆に、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、グランパス守備を振り回すなど、レッズの、完勝といっても過言じゃなかった・・(グランパスvsレッズ、0-1)

 

レビュー
 
そうだな〜・・

やっぱり、両チームのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の内実を、比べるべきだろうな。

スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)・・

そこには、ある程度フリーなボールホルダーを、創りだすという意味合いがある。

そんなファクターで、明確に、レッズに、一日の長があったんだ。

まずなんといっても、人とボールの動きが、スムーズで鋭く、創造的で効果的。

とにかく、その「動きのリズム」が、チーム全体で、明確に、シェアされていると感じる。

この感性のシェアこそが、人とボールの動きで、もっとも大事なファクターなんだ。

そう、一つのステーション(ボールホルダー)のところで、「動き」が停滞してしまったら・・

それは、次、その次の仕掛けイメージングの、「瓦解」を意味するからね。

逆に、チーム全員が、次、その次に、どのようなタイミングで、ボールが動くのか(パスね)のイメージングを共有できていれば、対応する、人の動きだって活性化する。

そして、その積み重ねが、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションってな、理想的な「人とボールの動き」を創りだすんだ。

とにかく・・

今日は、その「動き」という視点で、レッズに一日(以上の!?)長があったっちゅうわけだ。

それと、もう一つ・・

そう、レッズでは、人とボールの動き(組織パス)の良いリズムに「乗る」ように、勇気マンマンの「個のドリブル勝負」も、ブチかまされていた。

そう、組織と個のバランスという視点ね。

でも、一つだけ残念だったのは・・

大いに期待していた武田英寿の、「突貫小僧ドリブル勝負」が観られず仕舞いだったことなんだ。

彼には、良いカタチでボールをもったら、絶対に、「突貫小僧ドリブル勝負」を、ブチかまさなきゃダメだと、進言したいね。

何せ、彼には、それをブチかませるだけの「天賦の才」があるのだから・・

でも彼は・・

このゲームで「先発」を掴んだことで、プレー姿勢が、「守り」に入ってしまった!?

いつも書いているように、サッカーは究極の心理ボールゲームなんだよ。

・・ミスや失敗を冒したくないからと、安全プレーに奔ったら、それはサッカーではなくなってしまう・・

・・そうではなく、誰もが、チャンスとなったら、ドリブルや、タテへ抜け出すワンツーなど、積極的&攻撃的に、最終勝負をブチかましていかなきゃダメなんだ・・

その視点では、今日のレッズに「も」、課題が見えていたよね。

それって・・

チーム&ゲーム戦術コンセプトに則ったイメージング(自己規制!?)という、ワナにはまっている!?

何度も書いているように・・

たしかに、チーム&ゲーム戦術コンセプト(イメージング)は、大事だよ。

でも、「それ」に、引っ張られ「過ぎた」ら、それもまた、サッカーじゃなくなってしまうということなんだ。

難しいネ・・

ということで、このゲームは・・

グランパスに、ほとんどゴール機会を創らせず、逆に、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、グランパス守備を振り回すなど、レッズの「完勝」といっても過言じゃない内容ではありました。

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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





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