湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第21節(2024年6月29日、土曜日)
- 城福浩ヴェルディは、決して「ツキ」に恵まれたわけじゃなく(たしかに少しはツキに助けられた!?)・・まさに、持てる「実力」で、この勝ち点3を、順当に、掴み取った・・(マリノスvsヴェルディ、1-2)
- レビュー
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- 立派なサッカーを魅せた、城福浩ヴェルディ。
たしかに、素晴らしいボール奪取プロセス(守備)を魅せたけれど・・
彼らは、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)でも、しっかりと深く、攻め込み、何度も、順当な(!)ゴール機会を創りだした。
そんな、積極的&攻撃的なスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)は、前半でのリードを奪うまでの時間帯だけじゃなく・・
そう、マリノスがイニシアチブを握って攻め込まれた後半でも、チャンスを見計らい、しっかりと人数をかけ(!!)相手ゴールまで迫るシーンを、何度も創りだしたんだ。
でも、このゲームでは・・
やっぱり、後半のヴェルディが魅せつづけた、立派な、ボール奪取プロセス(守備)にスポットライトを当てましょうかね。
簡単に・・
スリーバック(最終ラインは、ファイブ!)で、しっかりとブロックを組むヴェルディ。
もちろん・・
決して、下がり「過ぎる」ことなく、中盤を、出来るだけ「コンパクト」にするというイメージングを、最後まで保ちつづけた。
そのためには・・
そう、最前線からの「追いかけ」や、中盤でのプレッシングが、とても大事になってくる。
とはいっても彼らは・・
決して、「前からプレス」をブチかまし「過ぎる」のではなく。
あくまでも、「静と動のバランス」をうまくマネージするような、クレバーで巧みな、ボール奪取プロセス(守備)を展開するんだよ。
「静」は、ポジショニングバランス・オリエンテッドな、イメージング。
「動」は、チェイス&チェック(寄せ)を前面に押し出す、マン・オリエンテッドな、イメージング。
その使い分けが、とても巧妙に、マネージされていた。
もちろん・・
「寄せ」るときは、「周り」も連動する。
でも、決して、「行き過ぎる」コトがない。
そんなエネルギー消費の、「巧みなバランス」もまた、観る者を魅了した。
その全体リーダーは、たぶん、最終ラインの、谷口栄斗だったと思う。
「待て〜っ!!」、「いま寄せろ〜〜っ!!」、「そこ〜、付いてこいっ!!」、「ウラを、取られるな〜っ!!」、等など、そんな、チームメイトに対する「檄」ね。
まあ、最後は、選手たちの「主体的」な判断と決断が、モノを言ったわけだけれど・・。
とにかく、城福浩は、とても優れた「戦術&心理マネージメント」を実行していると感じる。
それこそが・・
この立派なヴェルディ選手たちが、ブチかましつづけた、攻守にわたる、とてもクリエイティブで、実効レベルの高い、主体性プレーの絶対ベースだったというわけさ。
わたしは、後半ずっと、ボールを視野の端っこに置き、ボールから離れたゾーンでの、ボールがないところでの「攻守のせめぎ合い」に目を凝らしていたよ。
そして、思った。
ヴェルディ選手たちは、常に、考えている・・
彼らは、常に、自分なりの判断をしている・・
そして彼らは、その判断に基づき、勇気をもって、リスクにもチャレンジしている・・
そう、攻守にわたってネ・・
素晴らしい。
とにかく、良いモノを魅せてもらった。
こんな積極的&攻撃的なサッカーこそが、サッカーの進化&深化を、プロモートするんだよ。
決して・・
そう、勝つことだけ(負けないことだけ)をターゲットにする、変な、徹底(戦術)サッカーなんかじゃないんだ。
そのテーマについては、EUROでも書いたから、「このコラム」も、ご参照あれ。
とにかく・・
城福浩ヴェルディは、決して「ツキ」に恵まれたわけじゃなく・・
そう、まさに、持てる「実力」で、この勝ち点3を、掴み取ったんだ。
そのコトが、言いたかった。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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