湯浅健二の「J」ワンポイント
- 2024年Jリーグの各ラウンドレビュー
- 第32節(2024年9月28日、土曜日)
- やっぱりミヒャエル(スキッベ)は、日本サッカーの進化&深化に対して、大いに貢献してくれている・・Danke Michael für Japanischen Fußball・・(サンフレッチェvsゼルビア、2-0)
- レビュー
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- へ〜〜・・
前節コラムで、ゼルビアのサッカーについて、もしかしたら、ホンモノの(!)進化&深化のベクトルに乗るかもしれない(!?)ってな印象に、触れた。
そう、日本サッカーの進化&深化にとって、ポジティブな「変化」・・ね。
もちろん、そのポジティブ変化のバックボーンは、ゼルビア選手の「質」が、充実してきているからに他ならない。
まあ、「あの」ゼルビア監督さんが、自身が考える、超絶の徹底(戦術)サッカーの方向性を変えるとは思えないのだけれど・・
それでも・・
このゲームで(特に前半)ゼルビアが展開した、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)に、チト、ポジティブな「傾向の変化」を感じたのも、確かな事実だったんだ。
まず、何といっても、人とボールの動き。
要は、パスとフリーランニング基盤の、チームプレー的な組み立て・・ね。
そんな、ゲーム展開の「変遷」のバックボーンは、たぶん・・
・・ミヒャエル広島サンフレッチェに、完璧にイニシアチブを握られ、二つのゴールまでブチ込まれたゼルビア選手たちが・・
・・こんな屈辱的なゲームは、耐えられない・・
・・よし、イニシアチブを奪い返しにいくぞ・・
・・そんな積極的&攻撃的な、マインドの高揚に支えられ、実際に彼らは、しっかりと押し返していく・・
・・それも、人とボールを、クリエイティブに動かすなど、サッカーの内容でも、サンフレッチェを見返すかのように・・
・・前半の、ある時間帯では、ゼルビア選手たちの「覚悟」が、グラウンド上に、投影された!?・・
・・さて〜〜・・
わたしは、そんなゲーム内容の「変遷」について、こんな風に考えていた。
・・ゲーム内容を(質的に!)完璧に支配され、素晴らしい(クロスからのニアポスト勝負による!)二つのゴールまでブチ込まれたゼルビア選手たち・・
・・彼らは、サンフレッチェが展開するサッカーの素晴らしさを、体感させられた・・
・・そして、ゴールまでブチ込まれ、プライドも含め、失うモノがなくなった・・
・・そして、フッ切れた・・
・・よしっ、オレたちは、サッカー内容でも、サンフレッチェを、上回ってやる・・
・・そんなモティベーションと「覚悟」に後押しされ、二点ビハインドの状況で、しっかりと、人とボールを動かしながら、スペース攻略にチャレンジしていった・・
要は・・
前半のゼルビアが、サンフレッチェの素晴らしさに、強烈な刺激を受け・・
そして、そのことで、プロとしての意地がモティベートされた!?
・・オレたちだって、やれば、内容でも、ヤツらを上回れるんだぞっ!!・・
そう・・
不確実なファクターが満載のサッカーは、究極の、心理ボールゲームでも、あるんだよ。
前半のゲーム内容の「変遷」を観ながら、そんなコトに思いをめぐらせたモノさ。
・・やっぱり、怒りとか憎しみといった、人間心理の「ダークサイド」こそが、もっともパワフルな、闘う意志を高揚させるモティベーションなんだ・・
そんな、興味深い前半の「経緯」だったけれど・・
そう、後半は・・
そこでのゼルビアは、彼ら本来の、超絶の徹底(戦術)サッカーに戻っていったんだよ。
そんな、ある意味、低俗なサッカーを観ながら、思った。
・・彼らだって、やろうと思えば、(まあ、限られた時間帯ではあったけれど・・)前半のような、優れた「組織サッカー」を、魅せられる・・
・・そう、日本サッカーの進化&深化に、実効あるポジティブな影響を与えられるんだ・・
・・そして・・
・・日本サッカーの、全てのステーキホルダーから、称賛され、感謝される・・
まあ、そのあたりの考え方については、前節コラムも、ご参照あれ。
ということで、ミヒャエル広島サンフレッチェ・・
素晴らしく美しい質実剛健サッカーを、魅せてくれた。
試合後エネーチケーインタビューに応えたサンフレッチェ選手(加藤陸次樹!?)が・・
「この素晴らしいチームパフォーマンスのバックボーンは??」ってインタビュアーに聞かれ・・
・・それは、全員が、攻守ハードワークとリスクチャレンジへの、積極的&攻撃的マインドを、常に高みで維持できているからです・・
そんなニュアンスの内容を、語っていた。
そのインテリジェンス(インタビューへの受け答え!)にも、ミヒャエル・スキッベが成し遂げつづけている「優れた仕事」の一端を、感じていた筆者なのであ〜る。
そう、自分自身で考え、判断し、勇気をもってアクションしていくという、超絶の「主体性プレー」。
へへっ・・
とにかく、ミヒャエルへの称賛は、こんな言葉で締めましょう・・
Danke Michael für Japanischen Fußball………
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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