湯浅健二の「J」ワンポイント


2024年Jリーグの各ラウンドレビュー


 

第35節(2024年11月3日、日曜日)

 

積極的&攻撃的な、攻守ハードワークとリスクチャレンジを、強烈な意志をもって、忠実にやりつづけたチョウ・キジェ京都サンガ・・この勝負マッチは、彼らが、順当に、立派な「勝ち点3」をもぎ取ったという評価が、フェアだと思う・・(サンフレッチェvsサンガ、0-1)

 

レビュー
 
サスガだね、チョウ・キジェ・・

とにかく・・

最後の最後まで、ボール奪取プロセス(守備)での、チェイス&チェック(寄せ)の勢いが、まったく落ちなかった。

特に前半・・

前からプレスの実効レベルが、とにかく、目立ちに目立っていた。

何度、「そこ」からのショートカウンターで、ゴール機会を創りだしたモノか。

前から(協力)プレス・・

それは、強烈な「意識と意志ポテンシャル」に支えられた忠実チャレンジ精神が、絶対ベース。

もちろん、周りのチームメイトとの「連動イメージング」が機能しているコトも、大前提だ。

サンガの強力スリートップと、2-3列目のチームメイトたち・・

彼らは、常に、連動したカタチでの、次、その次のプレス機会を、狙っていた。

そんな、イメージング・シンクロが徹底しているからこそ・・

ボール奪取プロセス(守備)での典型ハードワークである、チェイス&チェック(寄せ)が、理想的な「実効」を発揮しつづけた。

その、プレッシングの「連動イメージング」だけれど・・

それについては、たぶん、その前段階における、周りと協力した「ゾーン・コントロール」の内実が、「行くか or 待つか」の判断ベースなんだろうね。

もちろん、相手が、ボールを、安易にコントロールしたら・・

その瞬間に、プレス圧力を、何倍にも高めて寄せることは、言うまでもない。

たしかに、その場合は「単独アクション」になるわけだけれど、周りも、そのアクションを「感じた」次の瞬間には、勝負ダイナミズムを爆発させ、協力プレスへ急行する。

とにかく、「個」と「組織」のメリハリが、とてもうまく「連動」しているんだよ。

それも、これも、チョウ・キジェの「ウデ」の証明っちゅうコトだ。

さて・・

ものすごく悔しい敗戦を、それもホームで喫してしまった、ミヒャエル広島サンフレッチェ・・

もちろん、ボール奪取プロセス(守備)だけじゃなく、スペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)の、実効レベルは、とても高い。

そしてボールを奪った次の瞬間には・・

素早い攻守の切り替えから、危険なカウンターを、ブチかます。

また落ち着いたら、組織的な展開からの、危険なクロス攻撃を、仕掛けていく。

前半・・

ミヒャエル広島サンフレッチェは、そんな組織的な仕掛けから、何度も、誰もが「あっ・・ゴールだっ!!」ってフリーズするようなゴール機会シーンを創りだしたっけね。

まあ、たしかに・・

前述したように、チョウ・キジェ京都サンガも、何度も、決定機を創りだしたから、まあ、その視点じゃ、互角の展開だったっちゅうコトさ。

そんな、まさに「動的な拮抗状態」がつづいていた、後半17分・・

コトが起きた。

サンガが、「強烈な闘う意志」が凝縮した仕掛けから、決勝ゴールを叩き込んじゃうんだよ。

右サイド・・

そこで、一瞬のスキを突いて、タテスペースを攻略したサンガ・・

最後方から、勇気をもってオーバーラップした、サンガの右サイドバック福田心之助・・

彼が、「ゴール前の状況」を冷静に見極め・・

最後は、まったくフリーになっていた平戸太貴の「足許」への、グラウンダークロスを決めた。

まあ、それで勝負アリではあったけれど、やっばり平戸太貴のシュートも称賛しなきゃ・・

そう、平戸太貴が魅せた、右足ダイレクトシュートが、測ったように、サンフレッチェ広島ゴールの左上角に、飛び込んでいったんだ。

ありゃ、いくらスーパーな大迫敬介だって、反応できないよ。

そんなスーパーゴールだったんだ。

そして、その後・・

もちろんサンフレッチェは、選手交代も含め、大パワーで、同点ゴールを狙いにいく。

でも、そんな状況だからこそ・・

そう、チョウ・キジェ京都サンガの、「意識と意志ポテンシャル」が、何倍にも増幅したんだよ。

ということで・・

積極的&攻撃的な、攻守ハードワークとリスクチャレンジを、忠実に、強烈な意志をもって、やりつづけたチョウ・キジェ京都サンガ・・

この試合は、彼らが、順当に、立派な「勝ち点3」をもぎ取ったっちゅう勝負マッチでした。

============

最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。

一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。

もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


===============

 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
 追伸:わたしは-"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

==============

 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。





[トップページ ] [湯浅健二です。 ] [トピックス(New)]
[Jデータベース ] [ Jワンポイント ] [海外情報 ]