湯浅健二の「J」ワンポイント
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
第4節(2025年3月2日、日曜日)
ホンモノの粘り(闘う意志)が込められたチェイス&チェック(寄せ)こそが、このゲームの雌雄を決した・・たしかに後半は持ち直したレッズだったけれど、それでも全体的には、レイソルに完敗を喫したことは確かな事実だった・・(レッズvsレイソル、0-2)
「ボールがらみの競り合いで、勝つことが、もっとも大事なんですよ・・」
ダゾン解説の興梠慎三が、そんな、核心を突いたコメントをした。
でも、その横から出てくる、クソの幾何学コメントが、事実をケムに巻く。
ホント、鼻につく。
フットボールネーションにも、よくいるんだよ。
机上の空論をひっさげ、メディアに乗ろうとする輩が。
周りは、その(見た目!)理路整然とした(しているようあに見える!)ハナシに、気勢を殺がれ、だまっちゃう。
でも、時間の経過とともに、すぐに「化けの皮」が剥がれるんだよ。
ホントに、カタチ(立ち位置やフォーメーションなど)によって、サッカーの本質的な「機能性」がアップするのかい?
だったら、足を使わなければならないことで、不確実なファクター満載のサッカーは、ホントに単純なボールゲームっちゅうコトになっちゃう。
興梠慎三が言っていたのは、局面デュエルを制する者が、ゲームの流れも制する・・っちゅうコトだよね。
そこでは、極限の「意志のチカラ」が問われるんだ。
そう、サッカーは、究極の「意志のボールゲーム」なんだよ。
だから、興梠慎三のコメントこそが、核心を突いたファクターだっちゅうわけだ。
よくサ、「トライアングルを創れ〜っ!!」なんて叫んでいるコーチがいるけれど・・
トライアングルは、人とボールを動かそうとするプロセスで、「自然」にできつづけているんだよ。
だから・・
そう、選手たちに、トライアングルを創ることをイメージさせるなんて、まさに狂気の沙汰じゃないか。
もちろん・・
そう、全体的なポジショニングバランスのイメージを描きながらプレーすることは、大事・・
そのイメージが描けているからこそ・・
自分が、その状況で、どのポジションへ行くべきか、そこで、どのようにボールに触るべきか・・等などの「主体的な判断」が、効果的にできるんだよ。
でも、うまく人とボールを動かせない原因が、数字の羅列(立ち位置やポジショニングバランス)にあるなんていうコメントは、信じがたい。
まあ、仕方ない。
あっと、試合・・
この試合を観ながら、リーグ開幕戦の、ヴィッセル対レッズ戦コラムを読み返していたよ。
その試合でレッズが魅せた、素晴らしいダイナミックサッカーって、いったい何だったんだろう。
もちろん、ボール奪取プロセス(守備)での、チェイス&チェック(寄せ)の内実こそが、ゲームのイニシアチブすう勢を決めるワケだけれど・・
その「内実」について、こんな分析もありかな・・
そう、「寄せ」りゃ、いいってモノじゃないんだよ。
そうではなく、寄せた後の「粘り(闘う意志!)」こそが、もっとも重要なファクターなんだ。
その「粘り(闘う意志の!)ファイト」こそが、自分でボールを奪い返すだけじゃなく、次の相手の展開を「制限」し、仲間に、ボールを奪い返させる機会を与える。
でも・・
そう、いくら「勢い」があっても、単に「寄せる」だけってな「淡泊チェイス&チェック」じゃ、相手に簡単に「次へボールを動かされて」しまう。
それこそが、(後から文句を言われないための!?)アリバイ・アクションっちゅうわけだ。
そんなレッズに対して、レイソルの「前からプレス」には、レベルを超えた「粘り」があった。
プレスを掛ける相手に、決して、簡単にプレーさせないんだよ。
このゲーム(特に前半)の内容では、「そのポイント」が、決定的な勝負ファクターかな。
まあ、たしかに、後半は、内容的にも「持ち直し」はしたけれど・・
それでも、この試合について、わたしは・・
全体的には、レイソルに完敗を喫した・・とすることに躊躇しません。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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