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2011_「EURO 2012」予選でのドイツ代表・・元気をもらった・・また、映画「クラシコ」でのトークショーの告知も・・(2011年3月28日、月曜日)

地震と津波によって、考えられないほど多くの方々が被災し、苦しんでいる・・そして、(情報が正しく伝えられているか不安だからこそ生じてしまう疑心暗鬼も含めて!?)未だ出口が見えない原発の後処理問題もある・・。とても、気持ちが重い。

 こんなときだからこそ、復興に対する間接的な貢献(元気の伝播!?)という意味も含め、自分の日常を、前向きに一生懸命生きようと心に誓った筆者だったけれど、やっぱり気が重い。これは、どうしようもない。でも、だらしない。フ〜〜・・。

 この件については「このコラム」も参照して下さい。重ねて、東北地方太平洋沖地震によって被災された方々に対し、心からお見舞い申し上げます。

 とにかく、「EURO 2012」の予選において圧倒的な強さで気を吐いた(そして試合前には、日本へ向けて黙祷を捧げてくれた)ドイツ代表から元気をもらい、何とかキーボードに向かった筆者なのでした(まあ・・ザマなしの体たらく・・ですかネ)。

 さて「ドイツ」というテーマ。

 わたしにとって第二の故郷でもあるドイツは、近すぎる存在と言えるかもしれません。ドイツの国家試験に合格したプロコーチでもあるわたしの夢は、いつか「ホンモノ舞台のガチンコ勝負」でドイツを負かしてやることなんですよ。だから私にとってヤツらは、ケンカの絶えない男兄弟!? もちろん「共通の敵」に対しては、協力して全力で立ち向かう!? もちろん「敵」という表現のなかには、諸々のコノテーション(言外に含蓄される意味)が内包されているわけですがネ。

 とはいってもサ、ドイツ代表が国際舞台で活躍したら、やっぱり嬉しいよね。それでもドイツの友人たちには、「・・まあ勝ったことはよかったけれど、オマエたちも分かっているように、1972年ヨーロッパ選手権を、圧倒的なサッカーで席巻したドイツ代表の存在感とは、まだまだ雲泥の差だね・・」なんていう憎まれ口を叩いたりする。

 さて、素晴らしスピーディーでスキルフルな組織サッカーを展開し(ロジカルな組織プレーと、勇気満々の個人勝負プレーが高みでバランスしたサッカーで!)カザフスタンを圧倒したドイツ代表。とても若いチームだよね。

 わたしは、この「若く強い代表チーム」ということに感慨を覚えます。それも、以前のように、生真面目さと(物理的&心理・精神的!)ダイナミズムばかりが目立つパワーサッカーじゃなく、技術と戦術「も」存分に前出しするような、魅力あふれる高質サッカーだからね。とにかく今のドイツ代表は、様々な意味合いで、正しい発展ベクトル上にいる。わたしも(実は・・)鼻が高い。

 1990年代に落ち込み、そこから、組織体質やコーチングの方向性などについて、抜本的な改善を断行したドイツサッカー。当時のドイツサッカーを引っ張っていた、クリストフ・ダウムをはじめとしたオピニオン(&オペレイティング)リーダー連中と、そのことについて深〜いディベートを繰り返したことを思い出します。

 そしてドイツが立ち直っていった。若手を、テクニックを重視した方向性で(要は、コーチの忍耐力が試されるような方向性で)クリエイティブに育成していったのです。(その方向性の原案を練った)クリストフ・ダウムとも、その後の展開について話したけれど、一度システムが出来上がったら、そのマネージメント(運営)では、ドイツは世界一だから・・

 そんな、ドイツサッカーの「冬の時代」で苦しんでいた友人たちを知っているからこそ、今の「若く強力なドイツ代表チーム」に対して深い感慨を覚えるのです。そのあたりの事情については、ピックアップリストにある「このコラム」も参照して下さい。

 とにかく、このドイツ代表チームは、若いだけじゃなく、完成度も高まりつづけているよね。

 世界中に、ドイツサッカーのホンモノの復活を(=勝負強いだけではなく、内容でも世界をリードできるキャパを秘めたドイツサッカーを!)強く印象づけた2006年ドイツワールドカップ。

 その、最高のパフォーマンスを魅せたチームに、ケディーラ、エジル、トーマス・ミュラーといった、前述の「長いコラム」で書いた、ドイツサッカーの体質改善によって輩出された若い才能が(2006年WMでも主力を張ったラーム、ポドルスキー、シュヴァインシュタイガーといった中堅&主軸プレイヤーも含みますよ!)効果的にミックスされ、昨年の南アWMでも光り輝くことになる。

 このカザフスタン戦では、そんな、若く、才能にあふれたドイツ代表チームが着実に完成度を高めている事実を目の当たりに体感させてもらった。そりゃ感慨深いし、ハッピーな感覚に包み込まれるよね。とにかく、ちょっと沈滞気味だった私は、彼らの素晴らしいサッカーによって元気を注入されたのでした。

 あっと・・ゲーム内容。まあ・・それについては・・ネ。何せ、究極にロジカルな組織サッカーなんだから。

 例えば、左サイドで、三人が、チョン、チョンっとダイレクトパスをつなぎ、次の瞬間、爆発スプリントで決定的スペースへ飛び出していった左サイドバックのアオーゴへの正確なスルーパスが、ポドルスキーの左足から繰り出される・・とかサ。

 相手ディフェンスを意図的に集中させ、その間隙をぬって(タテのポジションチェンジを活用しながら)決定的スペースを攻略しちゃう組織コンビネーション・・ってな具合。素晴らしい。

 また、ケディーラとシュヴァインシュタイガーが組むダブルボラランチの機能性も秀逸だね。この二人は、守備的ハーフでもあるし、ゲームメイクを演出するリンクマンでも、縦横無尽のポジションチェンジの演出家でもある。素晴らしい。

 その縦横無尽のポジションチェンジの流れに、前気味ハーフのエジル、ポドルスキー、トーマス・ミュラー、そしてワントップのミロスラフ・クローゼが、効果的に絡みつづけるのですよ。

 もちろん、バルセロナや、1972年ヨーロッパチャンピオン(西ドイツ代表)チームのような華麗さは、「まだ」ないよね。でも、彼らならば、ドイツ的に、究極の「高効率」組織コンビネーションサッカーを体現してしまうかも知れない・・なんていう期待を抱かせてくれる。

 とにかく期待しましょ。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 最後に、映画「クラシコ」で行われるトークショーの告知です。

映画『クラシコ』トークショー
■日時:4月1日(金)18:45からの回上映後
■場所:池袋シネマ・ロサ(http://www.cinemarosa.net/annai.htm
■登壇者(予定):湯浅健二、宇都宮徹壱
『クラシコ』公式サイト:http://www.clasico-movie.com/
      twitterアカウント:http://twitter.com/ClasicoSupport

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 またまた、出版の告知です。

 今回は、後藤健生さんとW杯を語りあった対談本。現地と東京をつなぎ、何度も「生の声」を送りつづけました。

 悦びにあふれた生の声を、ご堪能ください。発売翌日には重版が決まったとか。それも、一万部の増刷。その重版分も、すでに店頭に(ネット書店に)並んだそうな。その本に関する告知記事は「こちら」です。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓しました。

 4月11日に販売が開始されたのですが、その二日後には増刷が決定し、WMの開幕に合わせるかのように「四刷」まできた次第。フムフム・・。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。岡田ジャパン(また、WM=Welt Meisterschaft)の楽しみ方という視点でも面白く読めるはずです・・たぶん。

 出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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