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- 2011_・・宮市亮・・もっと多く、より良いカタチでボールに触らなければ・・(2011年4月12日、火曜日)
- そうね〜・・まあ、後半は少しは良くなったように感じたけれど・・
宮市亮。相変わらず良いカタチでボールに触れないし、その頻度も低すぎる・・またボールを持っても、相手の裏スペースではなく、「眼前」でのパスレシーブだから、守備にとっては、まさにイメージ想定内・・
・・そこからのプレーも、守備にとって想定内・・同じようにドリブル勝負を仕掛けてくる・・それも同じようなテンポ・・同じようなフェイント・・だから相手も食らいついていける(宮市亮は簡単に置き去りにできない)・・そして(宮市のところでボールの動きが止まることで!)相手に素早く協力プレスを仕掛けられてボールを失ったり、逃げのパスを出すしかなくなったり・・フ〜〜・・
そんな、鮮烈デビュー後の(ある意味、揺れ戻しという意味で典型的な!?)ネガティブ現象については、前回の「ちょっと心配な宮市コラム」も参照してください。
いまの宮市亮が取り組むべきテーマは、ボールに触る頻度のアップ(パスの受け方の改善!)と、自分主体でフェイエノールトのチーム戦術イメージを改善させること・・だと思う。
とにかく、素晴らしい天賦の才に恵まれた宮市亮は、もっと多く、それも『良いカタチ』でボールに触らなければいけません。相手ディフェンスの「想定内」じゃ、簡単に潰されてしまうからね。あっと・・、ボールタッチの頻度やパスの受け方は、チーム戦術イメージの改善というテーマとダブるから、まあ、まずは素直に、パスレシーブの「動き」という視点から入りましょうか。
要は、宮市亮のパスレシーブの動きが緩慢に過ぎるということです(全体的な運動量が少なく、パスレシーブの動きにも工夫がない!)。
そりゃ、タッチラインに「張り付いて」味方からの足許パスを待つだけじゃ、相手に狙われてしまうのも道理。もっと動き回ることで「スペース・パス」を要求しなければいけないのですよ。スペースでパスを受ける(ある程度フリーでボールを持つ)ということは、自動的に「そこ」で仕掛けの起点になれるということです。
そうすれば、より効果的なドリブル勝負を仕掛けていけるだろうし、そこから繰り出す勝負パスというプレーのオプションだって増えていくでしょ。要は、もっと多く、そして「良いカタチ」でボールに触らなければいけないということなんだよ。持てる才能を光り輝かせるためにね。
また、そのためにも、チーム内の「仕掛けイメージ」を、『自ら』が中心になって改善していく・・という意識(強い意志)をもってゲームに臨むべきだとも思うわけです。
宮市亮の才能は、チームのなかで「まだ」認められ、頼りにされているはずだから、彼が、率先して動き回ることで効果的なパスレシーバーになり、そこから簡単にパスを回すようなシンプルプレー(タッチ&ゴー!!)を繰り返せば、そのうちに、宮市亮に「ボールが戻されてくる」ようになるはずです。
そうなったらしめたモノ。彼を中心に「組織コンビネーション」が回りはじめるに違いない。ポンポン・・っていう軽快なリズムのボールの動きが出てくれば、もちろん、スペースでパスを受けるシーンも格段に増えていく。
とにかく、いまのフェイエノールトの仕掛けプロセスは、あまりにも「個の勝負」が前面に押し出され過ぎだよね。攻撃陣の誰もが、ボールを持ったら、そのままドリブル勝負を仕掛けていってしまう。だから仕掛けが単調になって、相手に潰されてしまう頻度も高くなる。
宮市亮にしても、シンプルにパスを回したら、もう絶対に自分に「ボールが戻ってこない」ことをよく知っているんだろうね。でもサ、だからこそ「やり甲斐」があるじゃないか。
・・動き回ることでスペースでパスを受ける・・余裕のコントロール・・そして、ビシッという仕掛けのタテパスを味方フォワードへ出し、自身は、忠実なパス&ムーブで爆発ダッシュで次のスペースへ飛び出していく・・
・・そこでリターンパスがこなくても(宮市からのパスを受けた味方が、例によっての非効率なドリブル勝負を仕掛けていっても!?)・・何度も、そんな「パスを要求する・・パスを引き出す」ような忠実なムーブを繰り返していたら(もちろん、何でパスを出さないんだ〜っ!!って文句を言うような自己主張だって必要だぜ!!)、徐々に雰囲気が変わってくるモノなんだよ。
もちろん宮市亮は、もっともっとディフェンスにも精を出さなければいけない。いまのように、ボールをキープする相手に「付いていく」だけの受け身の態度ではなく、たまにゃ、「ドカンッ!」っていう音がするくらいハードなスライディングを仕掛けたっていいじゃありませんか。
そうしたら、チームメイトもビックリするでしょ。そして、そんな「刺激を放散するプレー」を繰り返すことで、チーム内の雰囲気を変えていくのですよ。そう、宮市亮が引っ張るイメージアップ・・。
難しいアプローチだけれど、彼の才能を考えれば(将来的に彼が活躍すべきステージを考えれば!)トライする価値はとても大きいと思いますよ。
でも・・まあ・・、最初は、忠実で主体的なディフェンス参加イメージと、全体的な動きの量と質の改善をベースに、とにかくパスレシーブの「動きの内容」を活性化させることで、もっと多く「スペース」でパスを受けるという強い意志をもちましょう。それが出てくれば、おのずとプレーが積極的になっていくだろうし、そのことで、チーム全体の雰囲気も改善されていくはずですよ。
宮市亮という天賦の才。とにかく、何かに対して、前向きにチャレンジすることの『悦び』を知って欲しいと願って止まない筆者なのでした。
重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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