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- 2011_なでしこ_・・勝負を勝ち切るホンモノの実力・・WMからの自信と確信・・(日本代表vsオーストラリア代表、 1-0)・・(2011年9月5日、月曜日)
- ヨ〜シッ!! ヨシッ、ヨシッ、ヨ〜シッ!!!
まあ・・いいジャン。たまには、斜に構えることなく、「素直」な感情からコラムに入っても・・。あっ・・と、わたしの場合は「いつも」か!? あははっ・・
このゲーム「も」、まさにエモーショナル価値テンコ盛りのエキサイティング勝負マッチになりました(エモーショナル価値というテーマについては「このコラム」をご参照アレ)。もちろん、韓国と北朝鮮が引き分けてくれたら、もっと良かったわけだけれどネ。
それにしても、ナデシコとオーストラリアとの間に「こんなに大きな実力差」があったとは・・。
ワールドカップでオーストラリア代表が展開した、忠実でパワフル&スピーディーなサッカーに魅了され、そのイメージで観戦しはじめた筆者だったから、ちょっと出鼻をくじかれた。
それは、(苦戦した韓国戦からの刺激によって、ワールドカップで培った自信と確信が甦ってきた!?)ナデシコが素晴らしかったからなのか!? どちらかといったら、ナデシコにとっては、欧米型チームとの対戦の方が、与(くみ)し易し・・なのか? さて〜〜・・
たしかにナデシコにとっては、韓国や、次戦でぶつかる北朝鮮といった、同じように「小型」のチームで運動量豊富、そして攻撃的な組織プレスを仕掛けてくる積極(組織)サッカーに対しては、ちょっと苦手意識があるのかもしれないね。
韓国戦の後、澤穂希が、「ちょっと後追いになってしまった・・(久しぶりに!?)シンドかったし反省ポイントも多かった・・」というニュアンスの内容をコメントしていた。
その試合。わたしは、韓国が素晴らしかった・・と書いたけれど、別な見方をすれば、ナデシコがペースアップできなかったとも言える。決して甘く見ていたわけじゃない。でも、決して諦めることなく、極限の闘う意志をブチかましつづける韓国に対し、そのエネルギーを受け止め、押し返していくだけの「意志のパワー」を充填できなかった。フムフム・・
あっ、そうそう、全体としてはナデシコに凌駕されたオーストラリアだったけれど、立ち上がりの数分間は、ガンガンと前からプレスを仕掛けてきたったけね。
韓国と同様のゲーム戦術イメージをベースに(!?)、ダブルボランチの澤穂希と阪口夢穂に対してプレスを仕掛けていくことで高い位置でボールを奪い返し、そこからショートカウンターをブチかますといったイメージ。でもサ・・
そう・・、数分もすると、そんな前への勢いが霧散し、完全にナデシコがゲームを支配しはじめるのですよ。それに対してオーストラリアは、まったくといっていいほど組織的に押し上げられず、前戦のデ・ヴァンナをターゲットにする「アバウト」なロングパスを蹴るだけになってしまう。
見るからにコンディションが悪そうだったオーストラリアだけれど、どのチームよりも早い段階で中国入りして準備していたにしては、また、一昨日のタイ戦(5:1でオーストラリアの勝利!)で主力を休ませていたにしては、ちょっと腑に落ちないスタミナ切れではありました。
さて、ナデシコのゲーム支配。ナデシコの場合、その意味合いは、単にボールを相手よりも長い時間キープしているということじゃないよ・・言うまでもないけれど・・。彼女たちの一つひとつのボールの(人の)動きが、次の仕掛けコンビネーションの意図を内包しているのですよ。
一つのタテパスに、3人目、4人目の「後方からの仕掛け人」の動きが連動するのです。そして、素早いコンビネーションから、永里優季が、二度もつづけて決定的チャンスの主役になる。またその後も、川澄奈穂美や宮間あやといった小兵が、素早く決定的スペースへ入り込んでチャンスを作り出す。
前半だけで、少なくとも4本の「絶対的」決定機を作り出したナデシコ。でも決められない。
そして後半も、同じようにナデシコがゲームを支配する(立ち上がりには誰もが息を呑むような絶対的チャンスも作り出した)。でも、どうしてもゴールを奪えない。
わたしは、前半の決定的チャンスを決め切れなかったことも含め、そんなゲーム展開を観ながら、ちょっとイヤな感覚に苛(さいな)まれはじめたものです。
いつもの「サッカー的」な勝負パターン!?
ゲームを支配し、実質的なチャンスの量と質でも凌駕しているチームが、ゴールを決めきれず、逆に、守る相手のロングパス一本を(例えば、快足のデ・ヴァンナに!?)決められて一敗地にまみれてしまう・・。
でもナデシコはやってくれた。
川澄奈穂美。彼女の、疲れを知らない(攻守にわたる)汗かきアクションには、本当にアタマが下がる。
この決勝ゴールシーンでも、川澄奈穂美の全力スプリント(決定的フリーランニング)が功を奏するのです。後方からのロングボールを、素晴らしいトラップでキープした永里優季が、その横を走り抜ける川澄奈穂美が狙うタテの決定的スペースへ、まさに「置くような」ラストパスを流し込んだのです。
次の瞬間、落ち着き払った川澄奈穂美は、飛び出してくる相手GKの脇の下を抜けていくテクニカルシュートを決めるのですよ。さまに、スーパーゴール!!
そして最後まで(ちょっと紆余曲折はあったけれど・・)安定してリードを守り切ったナデシコ。そんなゲームを観ながら、彼女たちが、どんなにギリギリの勝負であろうと、最後は勝ち切ることができる、勝者のメンタリティーという『ホンモノの実力』を手に入れたと感じた。それこそが、ワールドカップから勝ち取った根源的な価値だった(自信と確信)。
ところで永里優季。先発メンバーに名を連ねたのは、ワールドカップでのドイツ戦以来かな。
とても、とても良かったですよ。
最前線で、しっかりとターゲットレディーになれていた。そしてタテパスを受けても、決して変に「こねくり回す」ことなく、シンプルに展開パスを出し、すかさず、次のスペースへ向けてパス&ムーブに入る。もちろん勝負シーンでは、迷うことなくシュートへチャレンジしていく。そして、ボールがないところでの動きの量と質(汗かきプレー)でも存在感を魅せていただけじゃなく、ディフェンスでも実効ある汗かきプレーを何度も魅せた。
これだけ組織的な汗かきプレー「も」やってくれれば、チームメイトも信頼するでしょ。チームメイトも、彼女を積極的に探していたし(しっかりとパスを付けていた!)、そんな期待に、永里優季も「誠実に」応えていた。
要は、永里優季の組織プレーと個の勝負プレーが、とても高い次元でバランスしはじめたということなんだけれど・・。
彼女にとっては、(実質的に)自分抜きでチームが世界チャンピオンに上り詰めたこと、そして実の妹である永里亜紗乃が、新たに代表チームに選抜されるなど、ものすごく強烈な「刺激」を受けつづけたことで、何か(変なこだわり!?)から解放された・・っちゅうことなんだろうね。
これで、北朝鮮との勝負マッチが、ものすごく楽しみになった。佐々木則夫監督の「心理マネージメント・・プロのウデ」の見せ所だね。
あっと・・最後になったけれど、この試合での丸山桂里奈のプレーぶりには、心底ガッカリさせられたことも付け加えます。
チームが、全力で一点を守り切ろうという状況にゲームに送り込まれたにもかかわらず、前戦でチェイス&チェックを仕掛けない・・ボールを追わない。そして、まさに「テレンコ・・テレンコ」っちゅうジョギングを繰り返すのですよ。あんな、チームにとっての危急状況なのに、一生懸命にプレーしようとしない。闘う意志がまったく感じられない。
丸山桂里奈が秘める素晴らしい才能を深く理解しているからこそ、佐々木則夫監督と同様に(!?)、本当に、かなりアタマにきていた筆者だったのです。
とにかく、才能が、自分自身の次元の低い「弱さ」によって潰れていくプロセスを見ることほど、サッカーコーチとして辛いことはないわけだから・・。
ということで、このコラムは、エモーショナルに始まり、エモーショナルに締めることになりました。かしこ・・
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ちょっと話題は変わりますが・・。
このところ、わたしが愛用しているウエストバッグやバックパックについて質問してくる方々が増えています。ということで、それを軽くご紹介することにしました。
ブランドは、METAS(メタス)といいます。
以前「サザビー」という有名ブランドのチーフデザイナーを務めていたわたしの友人が、10年前に独立して作り上げたプライベートブランド。その、痒(かゆ)いところにも楽に手が届くっちゅう感じの、実用的なアイデアが満載されたビジネスツールが、とても気に入ってます。
METAS(メタス) が扱っているのは、わたしが愛用するウエストバッグやバックパックだけじゃなく、ショルダーバッグやハンドバッグ、はたまたボストンバッグやブリーフケース等もあります。
全体的なデザインはオーソドックス(どこか懐かしいスタンダード・・というのがコンセプトらしい)だけれど、高質な材料の選択や、その素敵な組み合わせだけじゃなく、細かな気配りアイデアにも感嘆させられるスグレモノです。使い込めば込むほど(長寿もコンセプトの一環!?)、愛着がわいてくる。そして、安物とは違い、古くなればなるほど、素敵なチャック金具やおしゃれな裏地といった「細かなデザイン」が光り輝いてくる。
ちょっと誉めすぎ!? まあ私は、メタスの哲学と、それを具現化したバッグ類を、とても気に入っているのですよ。
様々なタイプのバッグを日々のアクションに活用している方々こそが、その細かな気配りアイデアを高く評価するに違いないと確信する筆者なのでした。ちょっと「押し」過ぎ!? あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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