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2012_UCL・・常識を超越するバルセロナ(その3)・・(バルセロナvsヘタフェ、 4-0)・・(2012年4月11日、水曜日)

リーガ・エスパニョーラ第33節、標記の(バルサにとっては!)大事な勝負マッチ。

 でも、まず何といっても、テレビの映像作りという話題からコラムに入らせていただきます・・

 スペインリーグでは、例外なく、ボールがないところでのドラマも、しっかりと映像に捉えているのですよ。だからこそ、ボール周りのプレーと、そこから遠い(最前線の)ゾーンで繰り広げられるスペースをめぐる(マーキングの!)せめぎ合いを、セットで観戦できる。

 そう・・本当の意味で勝負を決める決定的シーンを・・スタジアム観戦のように・・

 もちろん日本でも、そのような『正しい』映像作りをしている(ボールがないところでの見所までも意識して映像を作ろうとしている)ディレクター&アナウンサー&カメラマンのトリオはいるけれど、でも、まだまだ腹が立つカメラワークも、とても多い。

 そんな日本のテレビ映像作り当事者の方々には、イングランドじゃなく、是非とも、スペインリーグやブンデスリーガ、またUCLなどのテレビ映像作りを参考にして欲しいと願って止まない筆者なのでした。

 またまた前段が長くなってしまった。

 でもサ、ホントに、本当の意味でサッカー文化を振興し、浸透させていくためには、このポイントは、絶対に避けて通れない重要な課題だと確信しているのですよ。特に、インテリジェンスレベルが高い(!?)日本という文化バックボーンにおいては・・!? まあ、協会の姿勢も問われているということですかね。

 さて試合。

 相手のヘタフェは、とても良いチームでっせ。ランキングは中位だけれど、彼らのサッカー(チーム戦術)は、とても統制がとれている。堅牢な(忠実で集中した汗かきプレーに充ちた!)ディフェンスから攻撃へ転ずるシーンに象徴されているように、確固たる「意志」を感じる。

 ちょっと抽象的だけれど、とにかく、引き過ぎず、かといって「蛮勇」的なプレッシングは抑えながら、バルセロナの「ボール周り」と、その周辺での決定的な「ボールなしのアクション」を効果的に抑えつづけるという、とてもバランスの取れた「コンパクト組織ディフェンス」を展開するのですよ。

 まあ、逆に、だからこそ、バルセロナが魅せつづけた攻守にわたる魅惑的な組織サッカーと、そこにミックスする、レベルを超えた個人勝負プレーの美しいコラボレーションに目を見張らされた。

 メッシやイニエスタの個人勝負(ドリブルや動的なタメなど・・)は、観てりゃ誰でも舌鼓を打てる。でも、ボールがないところで勝負を決めちゃう組織コンビネーションは、意識していなければ「深く」楽しむことは出来ない。

 この試合では、意識すれば、誰でも、そんな(サッカーの本質的な)楽しみを深く享受できると感じた。それほど、テレビの映像作りが素晴らしかったのです。

 例えば、こんなシーン・・

 ・・左サイドでボールを持ち、相手を引きつけた(タメを作った)ペドロから、ちょっと落ち着いた流れのなかで、後方のシャビへ、斜めのバックパスが戻された・・

 ・・もちろんシャビは、パスを受ける前から最前線へ「視線を送っている」・・ボールにタッチする瞬間を除き、最前線へ、視線をブチかましつづける・・その瞬間(シャビとのアイコンタクトを絶対的なベースに!)最前線の三人が爆発した・・右サイドのクエンカ、中央ゾーンのアレクシス・サンチェス、そして、最初のバックパスを出したペドロ・・

 ・・結局このシーンでは勝負パスは出なかったけれど、この三人ともに、相手マーカーの視線を盗めていた(マーカーを置き去りにして決定的スペースへ走り抜けられていた!)・・パスが出れば、完璧に、決定的スペースを攻略できたのだ・・ちょっと鳥肌が立った・・

 バルセロナがブチかましつづけるスーパーサッカー・・

 その絶対的な基盤である守備のやり方(ボールを奪いかえすプロセス)と、変化に富んだ攻撃に関する様々なポイントについては、今年に入ってから10本近くのコラムを書いた、それについては、リンクボタンを張った最近の「このコラム」「あのコラム」も参照してくださいな。

 それにしても、リーガ・エスパニョーラのテレビ映像作り。ホントに素晴らしい。

 最前線でのボールがないところでのドラマ・・。特に、オフサイドラインをめぐるギリギリのせめぎ合いに舌鼓を打っていた筆者でした〜・・

 スミマセン・・このコラムの骨子テーマは、テレビの映像作り・・ということになってしまった・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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