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- 2012_世界のトップサッカー_国王杯でのクラシコ(その2)・・(2012年1月26日、木曜日)
- (またまた!?)すごかったネ〜・・世界トップチーム同士の「ガチンコ勝負」。
第一戦が行われた(マドリー)サンチャゴ・ベルナベウでのモウリーニョは、ホームゲームであるにもかかわらず、徹底した戦術サッカーでゲームに入っていった。
それに対して今回は、「行くっきゃなかったレアル・・」というバックボーンがあったからこそ、レアルの先発メンバー(ゲーム戦術)という視点も含め、両チームともに全力で、攻守にわたって仕掛け合った。だからこそ見所も豊富だった。
第一戦だけれど、その観戦コラムでも書いたように、先制ゴールを決めたとき、モウリーニョは、「してやったり・・」ってほくそ笑んでいたに違いない。でも結局は、試合が進むにつれて、どんどんと高揚しつづけた「バルサ・マジック」にうっちゃられてしまった。
バルサ・マジック・・・・
天才の個人勝負プレーは別にして、彼らほど、ボールのないところで、美しく勝負を決められるチームは他にはいない・・ということが言いたかった。一瞬のコンビネーション(人とボールの連動アクション!)で、相手守備ブロックのウラに広がる決定的スペースを攻略しちゃうバルサの天才たち。ショートコンビネーションでも一発ロングパス勝負でも。溜息が出る・・
優れた組織コンビネーション=勝負イメージのスーパーシンクロ・・
もちろん「それ」を支えるバックボーンは、光り輝く(個人的な)天賦の才だけれど、そんな連中が、(攻守にわたる!)組織ハードワーク「でも」忠実に100パーセント以上の意志をブチかましつづけちゃうわけだから何をか言わんやだよね。凄いネ・・ホント・・(先日アップしたバルサコラム、その1とその2を参照してください)
そんなゲーム展開を観ながら、こんなことを考えていた。
・・不確実な要素が満載されたサッカー・・だから、最終的には自由にプレーせざるを得ない・・そして、だからこそ、『規制よりも解放』こそが、もっと言えば『戦術的な規制という基盤を確立しながら、同時に、そのことによるネガティブな影響からプレイヤーを解放すること』こそが、コーチにとっての大命題なのだ・・
・・まあ、現場にとっては、サッカーの発展と、文化的なファクターの深化という意味合いも含め、内容と結果が本当の意味で「価値あるカタチで高質にバランス」すること、させること、こそが本当のミッション・・ってなことかな〜・・
・・ということでモウリーニョ・・
・・どうだろうね〜・・わたしは、チェルシーやインテル時代も含め、彼の現実的なゲーム戦術サッカーは評価しますよ・・そこでは、状況に応じて、サッカーの美しさも表現しようとしているからね・・
・・でもそこでの「美しさの表現方法」は、まあ、どちらかといったら(よりリスクの少ない!?)個の才能プレーに偏っているとも言えるけれど・・そう、ショートカウンター狙い・・個のドリブル突破を主体にした最終勝負・・などなど・・
・・そんなモウリーニョ主義だけれど、レアル・マドリーは事情が違う!?・・レアルでは、(広義で一般生活者やファンも含む!?)ステイクホルダー(Stakeholder)は、出来るかぎり美しい(個と組織がハイレベルにバランスする!)サッカーで結果も残したいと思っているに違いない・・
・・美しさと勝つこと・・理想と現実・・その相克メカニズムを、いかに効果的にマネージし、高い次元でバランスさせるか・・それこそが、コーチに課せられた本質的なミッション・・でも・・
・・モウリーニョは、レアルで「も」、素晴らしい結果(数字)は残している・・その事実については、ディスカッションの余地はない・・でも、そのことで生み出された「定量的&定性的な価値」という視点では!?・・
何か、聞くところによると、記者会見でのモウリーニョが、こんなニュアンスのコトを言ったとか。
・・ロッカールームで選手たちが、バルサをアウェーで破るのは不可能だと嘆いている・・
ホントかな〜?? モウリーニョ得意のメディア操作!?
でも・・まあ・・グラウンド上での「差」は、選手がもっとも切実に体感しているはずだし、ビデオを観ながらグラウンド上の現象を分析しているこちらも、そんなレアル選手たちの「感覚的な本音」にはアグリーせざるを得ないけれど・・
でもネ、もう何度も書いたけれど、レアルだって、バルサのようなスーパー組織サッカーが出来ないはずはないんだよ。それは、彼らが秘める個の才能レベルからすれば、当然の発想だと思うよ。
とはいっても「それ」は一朝一夕には実現できないことも確かなことだよね。何せ、サッカーは本物のチームゲームだからね。チームメイトの攻守にわたるプレーイメージが、常に、ハイレベルで「同期」していなければならないのですよ。
そんなハイレベルな「イメージのシンクロ(連動・連鎖)状態」を創りだすのは、ホントに難しい作業だし、時間がかかる。だからこそバルサは、カンテラと呼ばれるユース世代から、首尾一貫した徹底教育をほどこし、そのなかから「上澄みの選手」だけをピックアップする。フムフム・・
ちょっとハナシが冗長になりはじめてしまった。ということで「まとめ」・・
このゲームでは、前述したように、どんなに強力な守備ブロックでも、まるで「引きはがす」ように突き崩してしまう、バルサの超コンビネーションが、もっとも重要なテーマだったですかネ。
要は、いくら人数を掛け、重層的に固めた守備ブロックでも、ボールがないところで、視線の動きも含む「ディフェンダーのスキ」を狙いつづけるバルサ選手の一瞬の動きを100%完璧にマークすることなんて不可能だ・・ということです。
バルサの天才連中は、半径数10センチでも、決定的なスペースとして活用しちゃうからね。もちろん「そんな猫の額のような決定的スペース」に、素早く正確なコンビネーションから、まるで「置かれるように」ラストパスが回されてくる・・という「バルサ的現象」も含めてネ。フ〜〜・・
それ以外にも、後半にレアルが魅せた意地の同点ドラマ・・とか、同点にされてからバルサが魅せた「堅牢ディフェンス」・・なんていうテーマもあるよね。それらについては、また機会を改めて・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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