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2014_ナビスコ準決勝(第1戦)・・人的ファクターが大きいフロンターレの組織サッカー・・そして、例外的な天才、宇佐美貴史・・(ガンバ対フロンターレ、 3-1)・・(2014年10月9日、木曜日)

フロンターレに、小林悠と中村憲剛がいない・・

そりゃ、フロンターレの、人とボールの「動きのリズム」が減退しちゃうのも道理だ。

リズムは、選手たちの距離感(ポジショニングバランス!?)とスペースイメージの総体。でも、それを司(つかさど)る絶対的なコンダクター、中村憲剛(牛若丸)と小林悠がいないのだから。

組織コンビネーションでの根幹ファクターである人とボールの動き(イメージの連鎖!)において、いかに距離感とリズムが大切になってくるのか・・。

そのテーマについては、当HPでスタートした新連載「The Core Column」で発表した「このコラム」も参照して下さい。

モデルは、バルサとフロンターレです。

その視点で、今日のフロンターレは、良いリズムを高揚させるのに、とても苦労していた。

人とボールの動きに、いつもの軽快なリズムが出てこない。だから、3人目、4人目の動きで相手守備ブロックの「ウラスペース」を攻略してしまうようなスーパーな組織コンビネーションも影を潜めたままだった。

まあ、仕方ない。

フロンターレ選手たちは、もっと、もっと自分から仕掛けていなければ(リスクにチャレンジしていかなければ!!)ならなかった。それがなければ、我々が期 待する「フロンターレのサッカー」を表現するのは無理でしょ。まあ、後半には、部分的に「良いリズム」が出てくる時間帯もあったけれど・・。

フムフム・・

もう一つのテーマは、宇佐美貴史。

この試合でも、彼が秘める「レベルを超えた天才」が炸裂した。

追加ゴールシーン。でも、それ以外では・・

そう、先日の「Jリーグコラム」でも書いたように、攻守ハードワークが、あまりにも「お座なり」に過ぎるんだよ。

守備にはいったときでも、たしかにボールを追ったり、次の相手パスレシーバーに寄ったりはするけれど、自分がボールを奪えるシチュエーションに「しか」全力スプリントを魅せない。

攻守にわたる全力スプリントは、攻守で何かを達成しようとする積極的な意志がなければ、決して出てこない。でも・・

守備での宇佐美貴史。

例えば・・たしかに相手ボールホルダーに(次のパスレシーバーに)寄ったりはするけれど、結局は「寄るだけ」・・例えば・・ボールがないところでタテのスペースへ入り込んでいく相手フリーランナーを、全力で追いかけるようなハードワークは、まったく、ない・・等など。

攻撃での宇佐美貴史。

もちろん、自分がシュートまで行けるシチュエーションでは、目の覚めるようなフルスプリントで、スペースへ飛び出していったり、味方との最終勝負コンビネーションをブチかましたり。

そんなときの宇佐美貴史は、もう誰も抑えられない。

また、自分の目の前に、少しでもスペースがあれば、躊躇なく、全力のドリブル勝負をブチかましていく。それは、完全に世界レベルだ。

2011年、ドイツで行われ、「なでしこ」が頂点に立った女子W杯。

そのとき、宇佐美貴史は、「あの」バイエルン・ミュンヘンでチャレンジしていた。でも・・

そのときのコラムは、「こちら」を参照して下さい。

いつになったら、宇佐美貴史は、目を醒まし、本物の「ブレイク・スルー・プロセス」に入っていくのだろうか。

彼は、ディエゴ・マラドーナやメッシではない。

でも、最高の「天才」に恵まれている。

だからこそ、彼が、攻守ハードワークにも目覚めたら、まさに、世界トップの強者カテゴリーに名を連ねることができるのだ。

もちろん、それは、日本サッカーとアギーレ・ジャパンが、もう一段ステップアップすることを意味する。

ホント、彼の天才プレーを観るたびに、フラストレーションが溜まるじゃネ〜か。フ〜〜ッ・・

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ところで、ブラジルW杯に、後藤健生さんと「スカイプ」を通して繰り返したディスカッションをまとめた、ライブ感あふれる「ナマ対談本」が出来上がりました。

その新刊については、「こちら」をご参照ください。ではまた・・


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 最後に「告知」です。

 実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。

 でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。

 そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。

 だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。

 でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。

 ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。

 一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

 そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

 とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

 ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

 もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

 まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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