トピックス
- 2015_日本代表・・宇佐美貴史という「新しいタイプの武器」・・長谷部誠をコアに、相手によってパートナーを選択するダブルボランチ等など・・(日本vsイラク、4-0)・・(2015年6月11日、木曜日)
- 良かった、良かった。とにかく、良かった〜・・
何てったって、「あの」宇佐美貴史が、「ホンモノの意志」を魅せはじめたんだぜっ!!
もう、お祝いするっきゃないでしょ。
宇佐美貴史については、これまで(2011年あたりから!)いくつかのコラムを発表してきたけれど、そこへも飛べる「リンクボタン」を付けた「このコラム」も参照してください。
それは、私が、長女の大学卒業式へアテンドするためにアメリカ東海岸へ飛ぶ前日にアップしたコラムでした。
そして帰国した早々に、こんな嬉しいサプライズが・・
いや、それはサプライズじゃないのかもしれない。
何せ、このゲームで宇佐美貴史が魅せた軽快なパフォーマンスには、ガンバ長谷川健太監督も言っていた、このところの彼の(基本的な考え方の!?)イメチェンというバックボーンがあったに違いないわけだから。
もちろん、攻守ハードワークという視点じゃ、まだまだ課題も抱えているけれど、それでも、(攻守ハードワークという視点で彼もまた大きくイメチェンした!!)本田圭佑とブチかます、両サイドゾーンでの危険な仕掛けが、とても素敵だった。
そんな両サイドハーフの創造性あふれる「危険な仕掛けの流れ」には、後方から押し上げてくる、長友佑都と酒井宏樹の効果的サポートもあった。
そう、相手ディフェンスにとって、危険きわまりない、素早いコンビネーションをベースにした、タテのポジションチェンジ。
とにかく、本題圭佑と宇佐美貴史がサイドゾーンからブチかましつづけた仕掛けには、高質な「破壊エッセンス」が満載だった。
その宇佐美貴史。
彼が素晴らしく効果的なプレーを展開できた背景には、宇佐美貴史の才能を「積極的に活用していこう・・」という、チームメイトの「意志」もあったと思う。
だからこそ、宇佐美貴史も、サボらずに、しっかりとスペースへ抜け出してパスを受けたし、そこから繰り出す必殺ドリブルも、ものすごい実効をともなっていた。
そこには、宇佐美貴史という「天才」が、これまで日本代表に欠けていた「ホンモノの勝負ドリブラーという武器」をもたらしたという視点もある。
いつも書いているように、香川真司、本田圭佑、岡ア慎司といった日本代表の常連は、ホンモノの勝負ドリブラーじゃない。
要は、フットボールネーションの強者ディフェンダーを、静対した状態から抜き去って置き去りにしてしまうような勝負ドリブルは、あまり期待できない・・っちゅうことだ。
もちろん彼らにしても、良いタイミングでスペースへ走り込み、スピードを減退させることなく、ベストタイミングとコースのパスを受けられれば、必殺のドリブル勝負だってブチかませるでしょ。
でも、そんな理想的なドリブル勝負のチャンスは、とても希なんだよ。
だからこそ、パスをコントロールし、相手ゴールへ振り向いた状態から、(相手も怖がる!)ドリブル勝負をブチかましていけるような本物ドリブラーの「価値」は、ものすごく大きいっちゅうわけだ。
とにかく、これで日本代表は、宇佐美貴史という、これまでにない「タイプ」の武器を手に入れたと評価することに躊躇(ちゅうちょ)しない筆者なのですよ。
あっと・・
後半から登場した武藤嘉紀もまた、同じ本物のドリブラーとして、日本代表にとっての(これまでにないタイプの!!)スーパーな武器だよ。
このコラムでは、とにかくまず、「仕掛けの変化」という視点を強調したかった。
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そしてここから、ヴァイッド・ハリルホジッチという「強烈なストロングハンド」をテーマに、簡単なディスカッションを展開しようというわけだ。
「これからオレがどうなるかなんて分からないよ・・W杯のアジア予選で順調に勝ち進めないかもしれないし、三ヶ月後に、まだオレがこのポジションに就いているかどうかも分からない・・でも、とにかく、いまこの時点でできることに全精力を傾注する・・それだけだ・・」
そんなニュアンスの内容をコメントするヴァイッド・ハリルホジッチ。いいね・・。ストロングハンド。
そんな「本物プロ」がブチかます、ギリギリの勝負姿勢。それが絶対的ベースになっているからこそ、選手たちにも最高の影響力を及ぼせるっちゅうわけだ。
宇佐美貴史にも、本田圭佑にも、ヴァイッドは、真剣に、攻守ハードワークについて要求しているという。
そりゃ、「あの」ヴァイッドの強面で迫られたら、選手たちの脳裏にも、「自分たちがやるべきプレー」のイメージが、強烈に浸透していくはずだ。
そして、そんな、「人間の弱さと真剣に対峙できる」強烈なパーソナリティーこそが、高い報酬の、もっとも重要な「根拠」っちゅうわけなのですよ。
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ところで、イラク・・。
確かに、このゲームでのイラクは、まったく歯ごたえがなかった。監督さんは、主力攻撃プレイヤーの4人を連れてこられなかったのは痛かった・・と言っていたわけだけれど・・。
そういえば、来日が期待されていた有名選手はいなかったよね。
もちろん、局面勝負じゃ、そこそこのチカラは発揮するイラク選手なんだけれど、組織コンビネーションという視点じゃ、まったくといっていいほど歯ごたえに欠けていた。
要は、選手たちの仕掛けイメージが、まったく連動していなかったということだね。別の表現では、チームになっていなかった・・とも言える。
だから、このゲームで日本代表が魅せた(特に前半20分までの!?)スーパーパフォーマンスについては、少し「心の余裕」をもって捉えなきゃいけないかもしれない。
まあ、いいや・・。
ということで、ここからは、「本物のドリブラー」というテーマ以外の、いくつかのポイントも押さえておきたい。
まず・・ダブルボランチ。
もちろん長谷部誠は外せない。だから、彼のパートナーを誰にするのか・・というテーマ。
この試合での先発は、柴崎岳。
とても、とても良かった。忠実なディフェンスもそうだけれど、何といっても、彼のパスセンスが素晴らしかったんだよ。
もちろん長谷部誠のパスセンスについては、今さら論じるのも失礼に当たるだろうけれど、とにかく、この試合でダブルボランチが魅せた、攻守の「重心プレー」は、見ていて、歯ごたえ十分だった・・ということが言いたかった筆者なのだ。
あっ、そうそう、パスセンス・・。
本田圭佑が優れていることは言うまでもないけれど、それに勝るとも劣らないのが、「あの」宇佐美貴史なんだよ。
要は才能ということだけれど、とにかく彼は、勝負ドリブルをブチかましながらも、しっかりと周りを見ているんだ。だからこそ、ドリブルする彼には「勝負プレーの選択肢」が多い。
チームメイト達も、そんな宇佐美貴史のパスセンスを体感しているから、ボールがないところで走る(パスレシーブのフリーランニング!!)。
そして、だからこそ、ボールをもった宇佐美貴史が、ドリブルで突っ掛けてきたら、相手ディフェンスにとって、危険きわまりない状況っちゅうわけだ。
ホント、この試合での宇佐美貴史は、光り輝いていた。
まあ、とはいっても、強い相手とのホンモノの勝負になったら、まだまだ安易な、攻守のハードワークが鬼門になるかもしれない。
とにかく宇佐美貴史には、これからのヨーロッパでの再挑戦チャンスという視点も含めて(!)より多くの運動量(攻守ハードワーク)を求めたい筆者なのだ。
まだ時差ボケが直らない。ということで、今日は、こんなところです。ではまた火曜日に・・。
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最後に「告知」です。
実は、ソフトバンクではじめた「連載」だけれど、事情があって、半年で休止ということになってしまったんですよ。
でも、久しぶりの「ちゃんとした連載」だったから、とてもリキを入れて書いていた。そして、そのプロセスを、とても楽しんでいた。自分の学習機会としても、とても有意義だったしね。
そして思ったんですよ、この「モティベーション機会」を失ってしまうのは、とても残念だな〜・・ってね。
だから、どこかで連載をはじようかな・・と、可能性を探りはじめた。そこでは、いくつか良さそうなハナシもあったし、メルマガでもいいかな・・なんてコトも考えた。
でも・・サ、やっぱり、書くからには、できるかぎり多くの方々に読んでもらいたいわけですよ。でも、可能性がありそうな(メルマガも含めた)連載プラットフォームとしては、やはり私のホームページにかなうモノはなかった。
ということで、どうなるか分からないけれど、とにかく、私のホームページで、新規に、連載をはじめることにしたのです。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書こうかな。もし、うまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れてから立ち上げた新ビジネス」、そして「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、一週間ごとにアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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