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2017_ACL(準々決勝の2)・・ちょっと、イニシアチブ(主導権)というテーマについて考えてみました・・(レッズvsフロンターレ、4-1)・・(2017年9月13日、水曜日)

ゲーム流れの(サッカー内容の!)イニシアチブ・・というテーマ。

これは、勝負の流れでイニシアチブを握る・・という視点とは、まったく違いますよ。

そう、勝負強さ「ばかり」を前面に押し出すサッカー。

そりゃ、守備ブロックを固め、そこをベースに必殺カウンターをブチかましていくようなサッカーは、もちろん勝負という視点じゃ有利なんだよ。

何せ、相手守備ブロックが整わないうちにブチかます(ショート)カウンターほど効果的、効率的なチャンスメイクプロセスはないわけだからね。

でも・・

そう、そんな「勝負命」ってなサッカーは、サッカーの発展にとって、必ずしもポジティブに機能するわけじゃないんだ。

そのことは、サッカーの歴史が、如実に証明している。

そうではなく、やはり人々に、「次の希望や期待」につながる「何か」を感じさせるサッカーこそが、将来のサッカー&スポーツ文化を、本当の意味で振興させる礎になるんだよ。

そう、美しく勝つ(勝とうとする!)サッカー・・

このテーマについては、「The Core Column」において、「こんなコラム」をアップした。

また、人数を掛けて攻め上がる、リスクチャレンジあふれる攻撃的サッカーについては「こちらのコラム」、積極的にバランスを崩していくコトこそが優れたサッカーの絶対的ベース・・という「このコラム」もありまっせ。

あっと・・、この試合で思いをめぐらせた「イニシアチブ」というテーマだった。

ところで、レッズとフロンターレ・・

彼らは、日本サッカーのなかで、前述した、試合のイニシアチブを握りながら「美しく勝つサッカー」を体現していこうとする代表選手のようなチームだよね。

そんな両チームの激突だから、いつも、とても興味深い(魅力的な)対戦になるんだよ。

昨シーズンは、この二つのチームが、年間勝ち点という「真のチャンピオンシップ」でしのぎを削り、レッズが、そのエキサイティングな闘いを制した。

でも・・

そう、そんな両チームだったけれど、ACL準々決勝の第一戦では、堀孝史レッズが、どちらかといったら「落ち着いた様子見」的な姿勢でゲームに臨んだことで、フロンターレに完璧にゲームを支配され、完敗を喫してしまったんだ。

でも逆に、この第二戦ではフロンターレの方が「様子見」的な姿勢で臨んできたんだよ。

だから、ゲームの立ち上がりからレッズがイニシアチブを握った。

たしかに、カウンターから、エウシーニョに先制ゴールをブチ込まれはしたけれど、それでも、イニシアチブはレッズが握りつづけただけじゃなく、しっかりとスペース攻略チャンスを創りだした。

大事なことは、ボールをキープして(ポゼッション!)イニシアチブを握るだけじゃなく、その流れのなかで、しっかりとスペースを攻略できている・・ということなんだ。

ポゼッションだけが高くたって、相手に、ボールをキープ「させられている」ってな展開もあるわけさ。そして、何度も、決定的カウンターをブチかまされちゃう。

でも、この日のレッズは、相手カウンターの芽を潰しながら、しっかりとボールを(効果的に!)保持し、そしてその流れのなかからでも(強固な相手守備ブロックと対峙しながらも!)、何度もスペースを攻略するチャンスを創りだしたんだよ。

それは、賞賛に値するサッカーではあった。

あっと・・、またまた、イニシアチブのバックボーンというテーマから外れてしまった。

ということで・・

私は、チカラが同等で、同じようなサッカーを志向するチーム同士が対戦した場合、やはり、「意識の持ち方と意志の内実」によって、まったく違ったゲーム展開になるという、サッカーの真実を噛みしめていたんだっけ。

要は、第一戦ではレッズが、第二戦ではフロンターレが、それぞれ「注意深くゲームに入っていった」っちゅうわけさ。

そして・・

サッカーが秘める、不確実であるからこその(!?)、心理・精神的なファクターの重大さを体感させられていたっちゅうわけだ。

それにしても、一人足りなくなったとはいえ、フロンターレの「受け身に過ぎる」プレー姿勢は、チト極端に過ぎたよね。

それもまた、「究極の心理ゲーム」であるサッカーの面目躍如ってなコトだったのかも・・

とにかく、前述したように、フロンターレは強いチームだし、しっかりとした意志をもって押し上げていけば(積極的にリスクチャレンジを仕掛けていけば)、決して「あんな一方的な」ゲーム展開にはならなかったはずだよね。

もちろん、「3-1」と同点にされてからのフロンターレは、攻め上がろうとした。

でも・・

そう、それまでの消極的な受け身サッカーの雰囲気を「打開」することは叶わなかった。

そんなときにこそ、瞬間的な「爆発パワー」を秘めたグラウンド上のリーダーが必要なんだよ。

このテーマについては、私の読売サッカークラブ時代の戦友ラモス瑠偉も登場する「このコラム」をご参照あれ。

それにしても・・

レッズは、ホントによく、こんな大逆転ドラマを完遂させられた・・

それは、「例の」済州戦に優るとも劣らない、とても感動的な勝利ではあった。

そのプロセスで生じた、一つひとつの局面的な(戦術的な)現象や、前述したイニシアチブという視点も含む、全体的なゲーム展開については、また機会を改めて書くことにしますよ。

今日は、もう疲れ過ぎてしまったから、ここら辺りで・・

あっと・・

でも、素晴らしい意志の闘い(攻守ハードワークの優れた内実)とスマートな戦術プレーを魅せつづけた矢島慎也と青木拓矢についてだけ、少し言及しておきましょうか・・ネ。

二人とも、堀孝史レッズになってから、様々な意味合いで、覚醒したと思うんですよ。

平たく言ったら、自覚レベルが、格段にアップした・・ってな表現になるんだろうか。

ジ〜ッと、彼らの、攻守にわたる、ボールがないところでの動きの量と質を目で追っていた。

そして思った。

彼らは、本当の意味で、しっかりと「仕事を探せるように」なっている。そう、本当の意味での「意志のブレイクスルー」。だから、覚醒・・!?

チト、言葉の遊びが過ぎるでしょうか!?

へへっ・・

とにかく、そんな「頼り甲斐のある選手」たちが、互いに切磋琢磨すれば(=フェアなライバル関係を活性化すれば!?)、チームは、本当の意味で強くなること請け合いだよね。

あっと・・

この試合でMVPに選ばれた柏木陽介を忘れるところだった。

やっぱり、代替の効かない選手だよ。彼の、攻守ハードワークを基盤にしたゲームメイキングと最終勝負のチャンスメイキング。

その見事な中盤のリーダーぶりには感嘆しかありません。

あっと・・

こうなったら、ラファエル・シルバにも言及しなきゃ。

何せ、前回の「J」コラムではボロクソに書いたからね。

この試合では、立ち上がりから、攻守ハードワークを、ものすごく真剣に「探しつづけて」いた。

また、守備での局面デュエルでも、粘り強く、パワフルなアクションを披露していた。

それに、ボールを持っても、安易に奪われるシーンが減った。

たしかにこの試合では、時間が経つにつれて、(特に、ボールがないところでの攻守シーンでの)効果レベルはダウンしてしまったけれど、それでも、全体的には、彼の才能と、「やれば出来るコト」を再体感できたのはよかった。

そう、次につながる希望と期待・・だよ。

それにしても、このところの彼のパフォーマンスダウンは、何だったんだろうか?

そのバックボーンについて、チト興味が湧く・・

まあ、次だね・・


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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