トピックス
- 2017_日本代表トレーニングマッチ・・今回の欧州遠征は、最高の「学習機会」になった・・人はネガティブな出来事からの方が多くを学べるからね・・(日本vsウクライナ、1-2)・・(2018年3月27日、火曜日)
- そうだネ〜・・
チーム総合力の差(・・この試合での両チームのパフォーマンスの差!?)は、かなり明白だったから、順当な結果ではあった・・と思う。
その「差」の内実は、個のチカラである、フィジカル、テクニカルだけじゃなく、チーム戦術的な「連動作業レベル」でも認識できた。
もちろん、心理・精神的なファクター(闘う意志)でも、グラウンド上の現象に「少しずつの差」を確認できたね。
だから、その「差」を補っていくためにも、少なくとも攻守ハードワークの内実だけは、数段アップさせなきゃいけない。
そう・・
前回のマリ戦コラムでも書いたとおり、まだまだ、攻守の目的を達成するための「最後の半歩」が、十分に出せていないんだ。
もちろん、マリ戦に比べたら、大きく攻守ハードワークの内実がアップしたとは思うけれど・・
とにかく・・
W杯で当たるのが世界の超一流だからこそ、全体的な攻守ハードワークの量と質を、大きくアップさせなきゃいけないという現実は、変わらない。
守備では、言わずもがなの、エネルギッシュな(闘う意志がほとばしる全力ダッシュの!)チェイス&チェックを絶対的なベースに、周りが、次、その次のパスレシーバーを効果的に狙いつづけるボール奪取の連動アクション。
攻撃では、爆発的なパス&ムーブを絶対的なベースに、3人目、4人目のフリーランニングが絡む、ダイレクトパスを織り交ぜる(人数を掛ける)組織コンビネーションによって決定的スペースの攻略に(積極的に!)チャレンジしつづける。
そんな攻守ハードワークという視点で、少しずつ「世界トップとの僅差」を感じていたっちゅうわけなんだよ。
でも・・
そんな攻守ハードワークの内実が、格段にアップした時間帯があった。
ゲームの残り数分というラストの時間帯。
もちろん「そこ」では、ウクライナの全体的なダイナミズムがダウンしたこともあったけれど、それ以上に、日本代表がブチかました攻守ハードワークの量と質が、一段も二段もシフトアップしたことが大きかった。
そう・・
このままじゃ終われない・・あと数分しかないんだぞ〜っ!!・・ってな、極限の闘うマインド。
そこで、ゲームのイニシアチブを奪い取れたことの絶対的なバックボーンは、言うまでもなく、アグレッシブな協力プレッシングからの、効果的なボール奪取プロセスだった。
「それ」こそが、次の攻撃の絶対的な(心理・精神的)リソースになるっちゅうわけだ。
そう、相手からボールを奪い返すという積極プロセスは、ホンモノの闘う意志によって支えられているわけだから・・。
そして、だからこそ、次の攻撃を加速させる心理・精神的なリソースが内包されているというわけだ(リスクチャレンジマインドが高揚することに因る、仕掛けの人数アップ!!)。
チャンスメイクの内実が、個人勝負ではなく、より、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションの量と質に拠るところが大きいわけだから・・。
それにしても・・
ウクライナ決勝ゴールシーンが象徴していたけれど、日本が、局面デュエルで、かなり「やられて」いたことは否めない事実だった。
そのシーンじゃ、酒井高徳と植田直通が、コノブリャンカにブッちぎられ、(そちらへ日本守備が引き寄せられたことで!)ファーポストゾーンのディフェンス人数が足りなくなってしまった。
だからこそ、逆サイドのウクライナ選手がフリーでポジショニングできたというわけだ。
それは、誰が観ても、日本ディフェンスが完璧に崩された(振り回された)ピンチシーンだった。
そんな、ピンチシーンは、もちろん日本の方が多かった。
ところで・・
W杯での世界の超一流との対峙・・というテーマだけれど・・
まだ時間はある。
とにかくW杯が、レベルの低い「サッカー環境」とは違うからこそ、選手諸君には、まったく次元の違う「覚悟」を求めたい筆者なのだよ。
最後に・・
個人的なディスカッションにも、独断と偏見で(!?)入り込んじゃいます。
まず、原口元気。
彼が魅せつづけた、まさにブンデスリーガでもレスペクトされる攻守ハードワーク。
その闘う意志は、立派の一言だった。
まあ、とはいっても、次の仕掛けプロセスでは、たしかにドリブル突破シーンはあったけれど、組織コンビネーションでは、他のチームメイト達と、「イメージ」がうまくシンクロしていなかったけれど・・ね。
次・・
長谷部誠と山口螢のボランチコンビ。
その攻守コンビネーションは、例によって、ホントに「高みで安定」していた。
彼らが魅せつづけた、積極的に攻守ハードワークを「探しつづける」姿勢には、アタマが下がるし、ものすごく頼もしく感じていた。
次・・
久しぶりに先発した柴崎岳。
彼もまた、本場で鍛えられた積極的な攻守ハードワークを魅せつづけた。私にとっても、そんな彼のハードワーク姿勢は、ポジティブなイメチェンだったということなのかも。へへっ・・
とにかく、「彼も戦力になる・・」、そう感じた。
最後に・・
本田圭佑。
個人的な思い入れがある「彼のワントップ」というチーム戦術の選択肢。
私は、後半になってから、うまくゲームに入っていけない杉本健勇に代えて、久保裕也か中島翔哉を投入し、本田圭佑をワントップに据える・・というシーンを夢見ていたんだ。
前半は、(チーム全体の機能性がアップしていかなかったから!?)プレーが縮こまっていたけれど、そんな本田圭佑が、後半になって「急に」ワントップに入るってなアイデアのことだよ。
そう、ウクライナ守備にとっては、自分たちの安定性に問題が生じかねない「大きな戦術変化」っちゅうわけだ。
そして、その本田圭佑の足許に、後方から、ガンガンとタテパスが入り「つづける」。
もちろん、彼にタテパスが入った(入りそうになった)瞬間に、周りのチームメイト達が、「衛星」的なサポートアクションに入っていく。
そう、3人目、4人目のフリーランニング。
それだって、本田圭佑の「力強いキープ力という前向きイメージ」によって大きくモティベートされるはずだよね。
まあ、今回は「見果てぬ夢」に終わっちゃったけれど、「圭佑のワントップ」が、いつか正夢になることを夢見ながら筆を置きます。
とにかく、日本代表が、「現実」を強烈にブチかまされたことには、ものすごくポジティブなコノテーション(言外に含蓄される意味)が込められていたと思うよ。
人は、ポジティブなコトからよりも、ネガティブなコトからの方が、より多くを学べるモノだからネ。
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最後に「告知」です。
どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。
一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」。
- そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」。
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。
もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。
- まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
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重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
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ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
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