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2020_J2_第31節・・ヴェルディの仕掛けプロセス・・人とボールの動きによるチャンスメイクは、うまく機能するシーンも多い・・でも、やっぱり、何らかの「変化」も必要だよね・・(ヴェルディvs金沢、2-2)・・(2020年11月4日、水曜日)

前節コラムだけれど・・

そこでは、攻守ハードワークを積極的に「探しまくるプレー姿勢」というポイントで期待する(基本ポテンシャルを備えた!?)ミッドフィールダーとして何人か挙げた。

でも・・

そう、藤田チマの名前を列挙するのを、すっかり忘れてしまったんだ。

まあ、攻撃的タイプという底流アイデアでの列挙だったからなんだろうけれど・・

でも、基本ポジション(基本タスク)という概念に、何らかの変化を与えようとしている(!?)永井秀樹監督のことだから・・

選手たちには「ポリヴァレントな能力」を期待しているっちゅうコトなんだろうね。

だからこそ、ヴェルディでは、「基本ポジションなしのサッカー」という概念が、前面に押し出されているって感じるわけさ。

永井秀樹ヴェルディについて・・

そんな「基本的な捉え方」があったにもかかわらず、藤田チマのコトを忘れるなんて・・

面目ない・・

その藤田チマだけれど・・

このゲームでも、攻守にわたって、獅子奮迅の活躍を魅せた(効果的なアクセントを添えた)。

ボール奪取プロセスでのパフォーマンスは、いつもの通りハイレベルだった・・

でも、このゲームでは、(前節でプロ初ゴールを記録したこともあって!?)とても積極的に、仕掛けプロセスでも存在感を発揮したんだ。

細かな仕掛けプロセスの描写は、割愛するけれど・・

とにかく彼が、スペース攻略で四苦八苦していたヴェルディの仕掛けで、一人、抜群の実効レベルプレーを魅せることで「気」を吐いていたコトは特記しなきゃ・・と、思った。

ところで、その、ヴェルディの仕掛けプロセス・・

皆さんもご存じの通り、彼らは、イニシアチブを握りながら、ショートパスをつないでスペースを攻略するという基本イメージ(!?)をもっている。

でも・・

そう、相手は、そんなヴェルディの「仕掛けプロセスイメージ」をしっかりと把握し、効果的に対応しちゃうんだよ。

だから、そんな「人とボールの動き」ばかりでは、チャンスを創りだし難くなっているのさ。

そう、少し「寸詰まり」になりかけているヴェルディの仕掛けプロセス・・

そこで、仕掛けプロセスの「変化」というテーマが出てくるんだよ。

その意味で、素晴らしい効果レベルの勝負プレーを魅せたのが、藤田チマの、タテへ抜け出していく「仕掛けドリブル」だった。

もちろん、止まった状態で正対する相手を「抜き去る」ような勝負ドリブルではない。

そうではなく、「タテのスペースをつなぐ」ようなタイプの、直線的でスピーディーなドリブル。

ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションをベースにする組織プレーに、藤田チマが、そんな「個の勝負ドリブル」も(図らずも!?)ミックスしていったんだ。

そりゃ、相手もビックリのサプライズ効果を発揮するのも道理。

この試合では、藤田チマ自身の絶対ゴールチャンスも含め、彼が主役になった、ちょっと「異質」なチャンスメイクシーン三つほどあったよね。

それら全てが、抜群のゴールの可能性を秘めていたんだ。

素晴らしい・・

ところで、ヴェルディの、人とボールの動きを主体にする仕掛け(スペース攻略トライ)。

もちろん彼らは、それで、何度もチャンスの流れを創りだしたし、まさに「決定的・・!」って呼べるような素晴らしいチャンスシーンもあった。

それでも、ゴールを奪えず、結局は、佐藤優平の、ミドル弾二発で、同点ゴール&逆転ゴールを奪うコトになったんだ。

どうなんだろうね・・

もちろん永井秀樹は、クロスについても、基本的には「ボールの動きのなかでのラストパス!」ってな捉え方なんだろうね。

それは、正しい。

だからこそ・・

そう、たまには、もっと長い(鋭い!?)ラストパスを狙ってもいいんじゃないの!?

例えば、巷(ちまた)では「アバウトなアーリークロス」なんて呼ばれるけれど、その発想を転換し、それを、長いディスタンスの、鋭いラストパスって呼んだら・・!?

そこで放たれる弾丸ライナーが、ニアポストゾーン目掛けて吹っ飛んでいくようなシーン。

もちろん、パスレシーバーも「同じ勝負イメージ」を抱いていなきゃならないけれど・・

とにかく、そんな最終勝負でチャンスを創りだしたら、確実に、相手ディフェンスの「守備イメージ」にも「ほつれ」が生じてくるはずなんだよ。

要は・・

そう、いまのヴェルディの仕掛けプロセスが、あまりにも「何かに固執している」って感じられるのさ。

仕掛けプロセスで、もっとも大事なファクターは、やっぱり、変化・・でしょ。

もちろん、人とボールの「動き」がうまく回れば、それ自体が、大きな変化要素ではあるけれど・・

どうも、いまのヴェルディでは、その「リズム」や「ターゲットイメージ」が固定傾向にある・・のかもしれない。

だからこそ、藤田チマがブチかました、仕掛けプロセスのイメチェン(変化)が、ゴールだけじゃなく、相手の守備イメージング攪乱とか、ヴェルディ内での仕掛けイメージの「広がり」という意味合いでも、とても「実効レベル」が高かったって思うのさ。

ということで、何度でも書くけれど・・

前節コラムでも書いたように、これからリーグ終了へ向けての1試合、1試合が、とても、とても大事な意味をもってくるんだ。

だからこそ、すべてのゲームに、主体的に、そして全力で臨まなければならないんだ。

それにしても藤田チマ。

素晴らしい才能だよね。

だからこそ・・

これまで何人ものスター(候補たち)が陥った、周りにチヤホヤされることによる「思い上がりのワナ」にはまらないコトを、心の底から願っていますよ。

あっ・・と、最後に、ダゾンカメラワークについて・・

良かったですよ。

後方からの組み立てプロセス段階でも、前線の、攻守の「イメージと意志のせめぎ合い」を、感じることができた。

どうも分からないのが・・

どうして、まだ多くのカメラワークが、寄り過ぎという、変な「中途半端ズーミング」をするの??

もろちん、「観たいモノ」が違うという考え方があるのは、分かります。

もっと、「局面デュエルを目の前で体感したい・・」

もっと、「選手の顔を観たい・・」

・・等など。

でも、いまでも、次の瞬間には、「需要の大きな映像!?」に、素早く切り替えられるのでは!?

さて〜〜・・


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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