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2020_ 日本代表(親善マッチ)・・またまた、フットボールネーションが秘める、「ココゾッ!」の勝負所感覚の鋭さを体感させられた・・それでも、前半の森保一 ジャパンが、立派なサッカーを展開したコトは確かな事実として歴史に刻まれる・・(日本vsメキシコ、0-2)・・(2020年11月18日、水曜日)

フム〜・・

これもまた、世界トップクラスとの「最後の僅差」というファクターを象徴する現象か〜・・

ゲームを観ながら、ため息が出た。

この、「世界トップとの最後の僅差」というテーマについては、「The Core Column」シリーズで発表した「このコラム」も、ご参照あれ。

その「僅差」だけれど、このゲームでの、それを象徴する局面シーン・・

例えば、後半23分の、2失点目シーン。

メキシコの、後方からのタテパスが前線へ供給された瞬間のこと。

最終ラインを統率する吉田麻也は、そのタテパスを受けるマルティンから、最前線ロサノへのダイレクトパスを予測し、スッと上がって、パスコースに入ろうとしたんだ。

でも・・

そう、パスレシーバーのマルティンが、吉田麻也のインターセプトアクションの「逆手を取り!?」、ピタッと、タテパスをトラップしちゃうんだ。

そのとき・・

吉田麻也が、ダイレクトで叩くと「予測し」微妙にポジションを上げたのと同時に・・

ロサノが、背後の決定的スペースへ向けて、猛ダッシュをブチかましたんだよ。

もちろん、タテパスをトラップしたマルティンは、素早くスルーパスを打つ。

吉田麻也は、まったく追いつけない。

そしてロサノは、完璧フリーで、正確な「ゴールへのパス」を決めたっちゅうわけだ。

この一連の、「タテパス&マルティンのトラップ&(ロサノの!)タテへの抜け出しフリーランニング&スルーパス・・」ってな最終勝負プロセスだけれど・・

メキシコは、そんな「瞬間的なコンビネーション」について、完璧に、「あうんのイメージが連鎖」していたって感じるね。

まあ、その後のゲームは、例によっての、メキシコの「巧みな時間つぶし」。

そんなモヤモヤ展開は、試合が行われたグラーツの「キリ」が象徴していたような・・

へへっ・・

とはいっても、前半は・・

そう、日本代表が、互角以上の素晴らしいサッカーを魅せたんだ。

メモを取りながら観ていたのだけれど、その内容は、こんな感じだった・・

■GKを除き、守備ブロックは変えずにメキシコ戦に臨んだ、森保一ジャパン(やっぱり守備ブロックこそが、このチームの絶対バックボーン!?)・・

■最初の押し込まれた時間帯・・メキシコが前から協力プレス守備をブチかましてきた・・

■それに対して、決してビビることなく、しっかりと「受け止め」、決して、ウラのスペースを突かせなかった森保一ジャパン・・

■そして、まずカウンターから決定機を創りだす・・

■そして、イニシアチブを奪い返すだけじゃなく、その後も、組織サッカーで、何度か決定的シーンを創りだしてしまう森保一ジャパン・・

■この、イニシアチブをめぐる「せめぎ合いプロセス」には、とても興味深いコノテーション(言外に含蓄される意味)がテンコ盛り・・

■以前だったら、世界トップクラスが展開する局面プレーの「強さ、巧さ」で、少しビビり気味になっていたハズの日本チーム・・

■でも、この試合では、ものすごく冷静に「対応」し、そしてイニシアチブまでも奪い返す・・

■この一連の、ゲーム展開の推移(変容)にこそ、森保一ジャパン・・というか、日本サッカーの進化&深化の本質が隠されている!?・・

■そう・・強力なディフェンスと、「世界」のウラを突いていけるオフェンスに対する自信と確信のレベルアップ・・

■イレギュラーするボールを足であつかうことで、不確実な要素がテンコ盛りのサッカー・・だからこそ瞬間的に状況が変化する・・

■不確実なサッカー・・だからこそ、究極の「心理ゲーム」というサッカーの本質・・

■規制と自由(解放)の高みのバランス・・

■そしてゲームが、世界サッカーの視点でも、本格的な「動的均衡マッチ」へと成長していく・・

■攻撃のキーマン・・2列目の鎌田大地・・
■とても、いい・・
■そう、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションの「アクセラレーター(加速装置)」としてて・・
■もちろん「ワンタッチ(トラップ)&コントロール能力」も、ブンデスリーガで鍛えられ、格段の進化を魅せているけれど、たまに魅せる、ダイレクトパスが、殊の外、効果的・・
■要は、止めるトコロとダイレクト展開の使い分け(イメージング)がスマートっちゅうことだね・・

■BS解説の福西崇史・・サスガに、目の付け所がイイね〜・・
■前半43分の、遠藤航のディフェンス・・
■ボールを奪い返したメキシコ中盤が、フリーで持ち上がる・・というシチュエーション・・
■そこで遠藤航は、決して、そのメキシコ中盤選手に「寄せ過ぎず」、また、サイドへのパスコースを「切り過ぎず」ってなポイントを解説していた・・
■まさに、その通り・・
■自分の立ち位置、相手の意図、そしてスペース(次のパスコースゾーン!?)を、まさに「イメージングの基盤」に、とても巧みに「ボカシ調整」しちゃっている・・
■そう、ボールを奪い返すという守備の目的を達成するために・・
■このシーン・・ボールを奪ったメキシコ中盤選手は、攻め上がりたいし、右サイドをイメージ・・
■でも遠藤航は、その意図を瞬時に読み取り・・
■ポジショニングをボカシた・・
■そのことで、ボールを持つメキシコ中盤選手も、かなり迷った・・
■それが、ボール奪取につながった・・
■そんな一瞬のプレー・・
■福西崇史が言うように、そんな「細かなトコロ」にこそ、遠藤航のボール奪取プロセスを構成する優れたイメージングの本質がある・・
■ハイレベルなボールをめぐる「攻守のイメージングのせめぎ合い」・・
■要は、フォルカー・フィンケが言った、「ポール・オリエンテッド・プレー」のこと・・
■あっと・・ここじゃ、守備における・・ネ・・

そんなメモを取りながら、後半を観はじめたというわけさ。

解説の福西崇史が、後半スタートに向けて、開口一番。

・・いいですね〜、日本代表・・

・・強豪メキシコに対して、ここまで出来る彼らを誇りに思うし、ワクワクさせられますよ・・

そんな印象は、わたしも、まったく同感だった。

でも・・

そう、メキシコが、ゲームのイニシアチブを奪い返し、そして、とても危険な最終勝負をブチかましはじめたんだ。

その、ゲーム展開の変容。

福西崇史は、「局面での個の勝負を、より強く、前面に押し出しはじめた・・」ってなコメントをしていたよね。

フムフム・・

そうだね〜・・たしかに、イニシアチブを握られた前半のメキシコは、ボールの動きを意識し「過ぎて」いたのかもしれない。

だから、日本守備に、次のパスレシーバーを予測され、そこを潰されつづけた・・っちゅう見方も出来る。

ということで後半のメキシコは、ボールを動かすコトに集中し過ぎるのではなく、「局面でのせめぎ合いに勝つこと」を、最優先にイメージしはじめたっちゅうコトなのかもしれない。

たしかに、そんなプレーイメージを「積み重ね」られたら、日本は劣勢に陥ってしまうかもね。

そう、局面デュエルに象徴される、「個のチカラの微妙な差」・・

そんな微妙なプレー(ゲーム戦術)イメージの変容が、冒頭で表現した、メキシコの2点目シーンに集約されていたのかもしれない。

・・パスレシーバーのマルティンが、ダイレクトではなく、トラップ&スルーパスを決断したこと!?・・

まあ、世界トップとの「最後の僅差の克服」は、もちろん近づきつづけてはいるけれど、まだ、道半ばっちゅうことなんだろうね。

例えば・・

2013年コンフェデレーションズカップ、イタリア戦での(カウンター失点による)悔しい敗戦。

2018年ロシアW杯、ベルギー戦での、CKからのカウンター失点シーン。

やっぱり、フットボールネーションは、「ここぞっ!!」への鋭い感性を備えている。

・・伝統!?・・生活文化!?・・

とにかく・・

このゲームを観ながら、これからも、人類史上最大パワーを秘める「異文化接点」であるサッカーについての、そんな「難しいテーマに挑んでいくぞ!!」ってな覚悟(モティベーション)を深めていた筆者だったのであ〜る。

へへっ・・


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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