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2022_WM_13・・さて、予選リーグ最終日がはじまった・・グループAとB・・(2022年11月30日、水曜日)

■グループA(エクアドルvsセネガル、1-2)

やっぱり・・

思ったとおり、アフリカチャンピオンのセネガルは、世界の実力チームだった。

わたしは、セネガルに思い入れがあるから、少し、嬉しかった。

その背景については、グループ初戦の「このコラム」もご参照あれ。

たしかにエクアドルも頑張ったけれど、攻守にわたる「機微な、戦術レベル」が、少しだけ、セネガルが上だった。

この、「少しだけ上」っていう表現には、サッカーの国際化にともなって、世界的に、とても早く進行しつづける「高次平準化」というポイントがある。

そう、世界的に、「組織と個のバランス」が、アップしてきているんだ。

昔、わたしの師匠だったドイツのレジェンドプロコーチ、故ヘネス・ヴァイスヴァイラーが、こんなコトを、わたしを見つめながら言った。

・・いいか・・

・・戦術的なコトは、もう、ほぼすべて考えつくした・・

・・だから、これからのサッカー進化のキモは、フィジカル要素が占めるんだ・・

当時から、アフリカのフィジカルの高さは、世界中が認めていた。

だから、欧州サッカー人のエキスパート連中は、「アフリカは、いつか、世界サッカーを席巻する・・」って思っていたのさ。

とはいっても、現実的には、そう簡単には「権威・権力の移行」はすすまなかった。

それには・・

そう、サッカーにゃ、フィジカル、タクティカル、テクニカルってな要素だけじゃなく・・

生活文化(心理・精神的な部分)や、政治、経済、はたまた自然環境ってな、様々なファクターも、大きく影響するわけなんだよ。

とにかく私は・・

自分の予想どおりに、セネガルが決勝トーナメントへ進出してくれて、とてもハッピーだったことが言いたかった。

へへ・・

さて、これから、グループBの勝負マッチ、イラン対アメリカの録画を観ながら、そのギリギリのテンションと、戦術的コンテンツを、とことん楽しみま〜す。

■グループB(イランvsアメリカ、0-1)

さて、ということで・・

前述、エクアドル対セネガルのエキサイティング勝負マッチと同様に・・

このゲームも、期待に違わぬ、ギリギリの勝負マッチへと成長していった。

そのなかで・・

状況や時間帯によって、さまざまに「変容」した、両チームのゲーム戦術「イメージング」が興味深かった。

まず、立ち上がり・・

そこじゃ、勝つしかないアメリが、ガンガン攻め上がり・・

引き分けでも決勝トーナメントへ進めるイランが、「落ち着いた」ボール奪取プロセス(守備)というイメージングで試合に臨んでいた。

まあ、そんな背景もあったのだろうけれど・・

とにかく、攻守にわたる「勝負イメージング」や、局面での「スキルやアイデア」という視点で、アメリカに一日の長があるって、感じられたモノさ。

そのアメリカだけれど・・

わたしは、以前から、彼らのサッカーを高く評価していたんだよ。

そのテーマについては、リーグ第2節、イングランド対アメリカについて書いた「このコラム」も、ご参照あれ。

あっと、ゲーム展開の変容・・

そう、ガンガン攻め上がるアメリカが、一発サイドチェンジから先制&決勝ゴールをブチ込むんだ。

中盤マッケニーからのサイドチェンジを、ダイレクトのヘディングで折り返す、デスト。

そして・・

そう、ここが特筆ポイントなんだけれど・・

そのダイレクトの折り返しを「完璧にイメージング」していたのが、プリシッチっちゅうわけだ。

そこでプリシッチが魅せた「爆発スタートダッシュ」の背景には、前述した、極限の「テンション」もあったに違いない。

だからこそブリシッチは、最終勝負の瞬間を、しっかりと「イメージング」できたし、「そこ」に突っ込んでいけた!?

そしてアメリカが、1点をリードする。

前半38分のことだ。

もちろん、イランは、攻め上がろうとする。

でも・・

そう、「それまでの」ゲーム戦術プランがアタマのなかを占拠していることで(!?)、その攻め上がりは、何か、中途半端なんだよ。

そして、案の定、アメリカの危険なカウンターを喰らってしまう。

そして迎えた後半・・

イランの名将カルロス・ケイロスの指示によって(!?)、再びイランが、落ち着いた「やり方」に戻るんだ。

そう、一発勝負のチャンスを粘り強くまつ、イラン・・ってな構図。

とにかくイランは、1点さえ、もぎ取れば、決勝トーナメントなんだから。

ということで・・

両者ともに、落ち着いた(攻守にわたって行き過ぎない!?)主体性プレーを、強く意識するサッカーを展開しはじめるんだ。

でも、もちろん、両者とも、「ここぞっ!!」のチャンスでは、人数をかけて仕掛けていく・・

グラウンド上では、ものすごい緊張感が支配していた。

そして両チームともに、「スペースをめぐる」攻守の闘いに、全精力を傾注する。

わたしは、そんな、両者の集中力を、心から堪能していた。

そう、両チームともに、とても優れたサッカーを展開できる実力チームだから・・ね。

そして、ゲーム展開の変容というテーマに戻るわけだ・・

そう、イラン・・

そんな、少し、重苦しい攻防がつづくなか、残り時間が、短くなるにつれて、イランの仕掛けに、俄然「勢い」が乗っていくんだよ。

それは、ゲームが、この勝負マッチでの「絶対ハイライト」の時間帯に入ったことを示唆していた。

そこでの、ギリギリの攻防。

まあ、言葉で表現するなんていう野暮は、しません。

とにかく、互いの「攻守イメージング」が、これ以上ないほど激しくぶつかり合った。

同じアジア人として、イランサッカーに敬意をもっているし、同様に、アメリカに対しても、強いシンパシーを感じている筆者だから・・

そう、その結果に対しては、すこし微妙な「感性」に苛まれていたっけね。

でも、まあ、アメリカは・・

次回W杯の共催国だから、そこは、結果をポジティブに受け取りましょう。

とにかく、深く堪能させてくれた両チームに、心からの敬意と感謝を表する筆者でした。

お疲れ様でした・・


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ところで・・

チト唐突ですが、知り合いのジャズシンガー、宮崎友紀子さんを紹介させてください。もう、ホントに素晴らしいソウルフルヴォーカリストです。

以前、あるキャフェライブで聴き、いっぺんにファンになったのですが、その宮崎友紀子さんと、偶然、友人のガーデンパーティーで再会したんです。

彼女については、このページあのページを参照してください。

私がコンサートで聴いたのは「ボサノバ」だったけれど、本当に心に染みわたりましたよ。

その宮崎友紀子さん。私の友人で、日本を代表するベーシスト(コントラバス奏者)藤原清登さんともコラボしたらしい。知らなかった。

 藤原清登さんだけれど、あるライブで彼女のヴォーカルを聴き、すぐに「いいですネ〜・・よければ、今度セッションを組みませんか・・」と、オファーしたんだそうな。

「あの」藤原清登だからね、宮崎友紀子さんの実力については推して知るべし・・だよね。

ということで、彼女の最新アルバムのカバー写真も載せておきます。

また、ギタリスト&シンガー(&パーカッション&マウス・トロンボーンなどのマルチ音楽家)として活躍するホブソン・アマラウさんとのコンビがパフォームするYouTube動画へも「リンク」を張っておきま〜す。

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あっと・・

私が愛用しているウエストポーチやバックパック。それについて何人かの方々に質問されたんですよ。それは、友人のデザイナーが主催するブランド、「METAS」

ちょっと、プロモートさせてくださいね。

この方は、某有名メーカーのチーフデザイナーから独立し、自らのブランドを立ち上げました。シンプルイズベスト・・スローライフ・・などなど、魅力的なキーワードが散りばめられた「METAS」

とてもシンプル。でも、その機能性は、もう最高。お薦めしまっせ。


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最後に「告知」です。

どうなるか分からないけれど、新規に、連載をはじめています。

一つは、毎回一つのテーマを深める「The Core Column」

そして、もう一つが、私の自伝である「My Biography」

自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。

ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・とスタートした次第。

もちろん、トピックスのトップページには、新規に「新シリーズ」コーナーをレイアウトしましたので、そちらからも入っていけますよ。

まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・


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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 





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