湯浅健二の「J」ワンポイント
		
		
		
		
			
2025年Jリーグの各ラウンドレビュー
				
				
				
				 
				
					
第10節(2025年4月13日、日曜日) 
					
					
					
					
					
このゲームは、レッズの、今シーズンにおけるベストマッチだった・・さて、ここからだ・・(ゼルビアvsレッズ、0-2)
						 
					 
町田ゼルビア・・
      
普通の、主流であるべき(!)良いサッカーへと、イメチェンしている。
      
まあたしかに、あれほど「良い選手」を補強したのだから、当たり前の進化&深化っちゅうコトか。
      
そうなんだよ・・
      
チカラのある選手たちだから、彼らを「納得」させるためにも、これまでのような「変な徹底サッカー」を、やらせるわけにゃ、いかないということサ。
      
ということで、今シーズンのゼルビアは・・
      
忠実で堅く、激しいボール奪取プロセス(守備)は、そのままに・・
      
次のスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)での内実が、ものすごくアップしたと感じているんだ。
      
もちろん・・
      
オ・セフンの「高さ」を活かしたロングボール&こぼれ球ピック(拾いまくる!)、といった、最終勝負イメージングは、そのままに(まあケースバイケースという程度になっている!?)・・
      
それにプラスして・・
      
軽快なリズムで(!)人とボールを動かしながら、しっかりとスペースを突いていくような、組み立て&仕掛けイメージングが、チーム内でシンクロしはじめているって感じる。
      
まあ、たしかに、ダゾン解説の水沼貴史が、何度も語っていたように・・
      
      ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションという視点では、不満も残るけれどサ。
      
とにかく、攻撃の「質」がアップしていることで・・
      
たしかにスペースは、ある程度は効果的に使えるようになっている(ある程度フリーなボールホルダーの創出ね!)。
      
とはいっても、そこからの最終勝負では、まだ四苦八苦しているんだよ。
      
前述した、「ダイレクトパス」が少ないというコトで・・
      
レッズのボール奪取プロセス(守備)が、とても楽になっていると感じるよね。
      
そのコトについて、ダゾンのゲスト解説、柿谷曜一朗が、こんなコトを言っていた。
      
・・ダイレクトパスがあれば、レッズ守備も、タイミングを外され、置き去りにされたしまう・・
      
・・でも、ゼルビア選手たちは、ほとんどが、「まず」しっかりとトラップしようとしている・・
      
・・だからレッズ守備は、余裕をもって、次のボール奪取プロセス(守備)を狙える・・
      
そう、その通り。
      
要は・・
      
ボール奪取プロセス(守備)に入っているチームは、相手のパスを予測し(最後の半歩というファクターね)、そのパスレシーバーを狙うんだよ(インターセプトやアタック!)。
      
でも、相手が、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションを駆使してきたら、狙いを定めた(!)インターセプトやアタックが、難しくなるっちゅうわけさ。
      
あっと、イメチェンの町田ゼルビア・・
      
この試合でも、先発した、相馬勇紀と西村拓真が、もう、抜群のパフォーマンスを発揮した。
      
もちろん、ワントップの、オ・セフンとの、(トライアングル!?)イメージング・シンクロという意味も含めてネ。
      
たしかに、その「最前線トライアングル」への信頼をベースで、チャンスの流れに絡んでくる、後方プレイヤーも増えたよね。
      
たぶん・・
      
ゼルビアのスペース攻略プロセス(攻撃&仕掛け)では、「人数をかけた組織コンビネーション」が、大きく進展したっちゅうコトなんだろうね。
      
あっと、浦和レッズ・・
      
まず、何といっても、ダイレクトパスを織り交ぜた組織コンビネーションが、うまく回っていたという視点から入ろうか。
      
その最たるモノが、浦和レッズの「追加ゴール」シーン・・
      
そこで、決定的な役割を果たしたのが、渡邊凌磨による、ダイレクトパス(まあ、フリックとも言えるけれどネ)だった。
      
その顛末・・
      
例によっての、西川周作先生からの、ズバッってな感じの、正確なタテパス・・
      
それ受けた渡邊凌磨が、一発のダイレクトパス(フリック)で、松尾佑介を、決定的なタテのスペースへ、「送り出した」んだ。
      
そう、そのシーンでの渡邊凌磨は、個の勝負で抜群のチカラを秘める松尾佑介を、タテへ「送り出した」とするのが正しい理解だと思う。
      
そこからは、(渡邊凌磨が期待したように!!)もう、松尾佑介の独壇場だった。
      
ところで・・
      
そう、このゲームで最前線コンビを組んだ、松尾佑介と渡邊凌磨。
      
とにかく、攻守にわたって、素晴らしい組織プレー(ハードワーク)を披露した。
      
なかでも・・
      
最前線からのチェイス&チェック(寄せ)によって、レッズのボール奪取プロセス(守備)を大きく活性化した貢献度は、ハンパない成果だった。
      
そう、最前線からのチェイス&チェック(寄せ)が、抜群の実効レベルを魅せつづけたんだ。
      
その、最前線からのチェイス&チェック(寄せ)・・
      
わたしは、これまで何度もコラムで言及したように(!)、「それこそ」が、チーム戦術的な「穴」になっているって感じていたんだよ。
      
ということで、このゲームでの浦和レッズ・・
      
彼らは、やっと、本当にやっと・・
      
秘めたる「優れた個のチカラ」が、チームとしてうまく機能しはじめている(個のチカラのシナジー≒相乗効果)と、感じさせてくれた。
      
      前節コラムでは、「レッズは、闘う意志を、極限まで高揚させなきゃ・・」なんて、書いた。
      
それは、言うまでもなく、ボール奪取プロセス(守備)での、最前線からのチェイス&チェック(寄せ)の勢いをアップさせ、「それ」を、本物の「シナジー」へと、つなげていくコトを意味する。
      
その視点で、わたしは、このゲームは、レッズの、今シーズンにおけるベストマッチだったとするコトに、躊躇しない。
      
さて、ここからだ・・
      
============
    
最後に「告知」です。
    
どうなるか分からないけれど、まだ、連載をつづけています。
    
一つは、選択したテーマを深める「The Core Column」。
     
    
     
    - そして、もう一つが、私の自伝、「My Biography」。
    
自伝では、とりあえず、ドイツ留学から読売サッカークラブ時代までを書きましょうかね。そして、もしうまく行きそうだったら、「一旦サッカーから離れて立ち上げた新ビジネス」や「サッカーに戻ってきた経緯」など、どんどんつづけましょう。
    
ホント、どうなるか分からない。でも、まあ、できる限りアップする予定です。とにかく、自分の学習機会(人生メモ)としても、価値あるモノにできれば・・と思っている次第。
    
もちろん、トピックスのトップページに「タイトル」をレイアウトしましたので、そちらからも入っていけます。
     
    
     
    - まあ、とにかく、請う、ご期待・・ってか〜〜・・あははっ・・
 
    
		
			- 
				
 
					
						===============
					
					
					
					
					
							 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。
							 追伸:わたしは-
"Football saves Japan"の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。
					
					
					
					
						==============
					
					
					
					
						 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。
					
					
					
					
							 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。
					
				
				
					
					- 
					
 - 
					
 - 
					
 -