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2011_ヨーロッパの日本人・・香川真司と岡崎慎司・・ドイツでも存在感を高める「シンジ」コンビ・・(2011年8月8日、月曜日)

まず、松田直樹から・・。素晴らしい、日本を代表するディフェンダーでした。

 ドイツからも何件か、彼について問い合わせがあり、それに対して下記のようなニュアンスの内容を伝えました。

 ・・前兆のない急性心筋梗塞だった・・そして34歳という若さ・・だからショックも大きかった・・何人もの(代表)選手が、彼の意識が戻ってないことを知りながらも、トレーニングの後に数百キロをクルマで移動して彼を見舞った・・彼は、サッカーファンだけではなく、選手からも慕われ、高く評価されたプレプレイヤーだった・・彼は、横浜マリノスだけではなく、アトランタでブラジルを破った試合、シドニーオリンピック、日韓ワールドカップなど、日本代表でもチームの中心として「熱い」闘いを魅せつづけた・・亡くなった日から、ほとんどの報道(ショー)では、松田直樹がトップニュースになっている・・などなど・・

 わたしは、プレイヤーとしての松田直樹しか知りません。だから、彼のプレーをイメージしながら、コラムを書いています。合掌・・

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 まず、ボルシア・ドルトムントの香川真司から。

 例によって、攻守にわたる忠実で実効ある「汗かきプレー」や、強烈な意志を込めた(完璧にゴールという雰囲気にあふれた!)テクニカルなポスト直撃シュート&中距離シュートシーンも含め、組織プレーと個の勝負プレーが「高みでバランス」する高質な存在感を発揮しつづけています。

 彼については、ドイツ滞在中に観戦したドイツ・スーパーカップでもレポートしたから、そちらのコラムも参照してください。そこには、監督のユルゲン・クロップに対する「囲み取材」でのコメントも入っていますよ。ユルゲン・クロップが表現した香川真司のキーワードは、「逞しくなった・・」だったね。

 さて、ブンデスリーガ開幕戦。先発の香川真司は、残り1分というタイミングでセバスチャン・ケールと交替したけれど、まあ実質フル出場ということだね。

 相手は、今回のサッカーコーチ国際会議でパネルディスカッションのパネラーとして壇上に登場したオェニングが率いるハンブルガーSVだぜ(そのコラムはこちら)。とても興味をそそられた。

 その(アウェーを戦う)HSVが、ゲーム立ち上がりから怒濤のプレッシングサッカーを展開するのですよ。そして、中盤を制し、オランダ代表のエリアや、今シーズンからの新加入のトルコ人トオゥレを中心に、サイドからの抜群にスピーディーでスキルフルな仕掛けをブチかましてくる。

 とはいっても、そこはチャンピオンのドルトムント。決してタジタジなんていう受け身の雰囲気ではなく、あくまでも余裕をもって受けて立つわけです。たしかに局所的には、ドリブルなどでウラを取られる(スペースを攻略される)シーンはあるものの、次のカバーリングとか、ディフェンス組織の素早い再構築といった、クリエイティブな連動性を魅せてくれるわけです。フムフム・・

 そして10分もしないうちに、徐々にハンブルクの勢いが殺がれていく。そんなゲームの流れの変異現象だけれど、それをしっかりと観察するのは、とても興味深いよ。まあ・・その現象のバックボーン要素を見極める作業・・ということだけれど、この試合では、やはり、ドルトムント中盤のボール奪取プロセスの効果レベルがアップしていったということだろうね。

 そこで、ドルトムントのダブルボランチ(ギュンドーガン&ベンダー)だけじゃなく、攻撃的中盤トリオ(ゲッツェ、香川、グロースクロイツ)が魅せた組織ディフェンスの機能性は、とても素晴らしく、そして興味深かったね。

 彼らのハイレベルな守備意識と効果的な実効プレーにこそ、監督であるユルゲン・クロップのウデの本質が見え隠れしていたわけだから・・。

 ところで、今シーズンからドルトムントに加入したボランチ、イルカイ・ギュンドーガン(背番号21)。昨シーズンまでニュールンベルクで活躍していたわけだけれど、ビッグクラブに入ったことで、その天賦の才が大きく花開くことが期待され、ドイツ代表にも選出された。

 そのイルカイ・ギュンドーガンだけれど、背番号が「21」と「23」だし、背格好も、また髪の色もかなり似通っているということで、最初、香川真司と見分けがつかなかった。もちろん、走り方などのアクションを見れば一目瞭然なのだけれど、止まっているときなど、どうも見分けが・・

 一度などは、タテの決定的スペースへ走り抜ける一人の選手を、香川真司と見間違えてしまった。それこそが、ドイツの若き期待の星、イルカイ・ギュンドーガンだったんですよ。その後に、中盤ゾーンに残っていた香川真司を確認したわけだけれど、そんな「エイヤッ!」の全力フリーランニングにも、イルカイ・ギュンドーガンに対する期待の本質が見えていたというわけです。フムフム・・あははっ・・

 とにかく、今シーズンも、香川真司には楽しませてもらえそうだという確信がアップしたことで、とてもハッピーな筆者だったのでした。あっと・・明後日には、札幌で香川真司の雄志が見られるんだっけ・・。

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 さて、岡崎慎司。ゲーム最後の時間帯(後半33分)に登場です。そしてすぐに魅せてくれた。

 ・・右サイドのタッチライン際でパスを受けた岡崎慎司・・そのまま中央ゾーンへ切れ込んでいきながら、一人、二人と、アタックしてくる相手をかわし、そして、中央ゾーンででタテへ抜け出すチームメイトへの「一発勝負」のタテパスにチャレンジする・・

 ・・そのパスが、惜しいところでカットされてしまい、そのまま相手のカウンターの流れになる・・そのシーンで岡?は、脇目も振らずに、そのカウンターが仕掛けられている逆の左サイドまでボールを追い掛け、そして最後は、彼自身がボールを奪いかえしてしまう・・

 ・・このシーンは、攻守にわたるハードワーカー岡崎慎司にとって、とても象徴的だった・・そして、ボールがタッチラインを割った(要は、一度プレーが切れた)のを確認してから、すぐさま、自分の本来のポジションである右ハーフ位置へと戻っていく・・フムフム・・

 この岡?のプレーを「やり(行き)過ぎ」と捉えるのか、それとも、必要なチーム(忠実なハードワーク)プレーと捉えるのか・・。これは、議論の余地ありなのですよ。

 もし岡?が左サイドまで「追いかけ」ていくプロセスで、味方がボールを奪いかえしたとしましょう。そのときシュツットガルトは、右サイドへボールを展開しようにも、そこにいるべき岡崎慎司がいない・・っちゅうマイナス現象に遭遇してしまうわけです。

 でも、このシーンでの岡崎慎司のポジションは、相手カウンターの仕掛けゾーンに近かったから、まあ追いかけたのは正解だったネ。結果的にも良かったし、チームメイトたちも、岡崎慎司の(責任を意識した)忠実なハードワークを認知したわけだから。

 とにかく、岡崎慎司のハードワークは、実際の効果だけではなく、チームメイトにとっての「心理的な刺激」という視点でも価値があることは、誰もが認めるところです。

 このことは、コーチ国際会議でも話題になった。シュツットガルトと関係するあるコーチと話したのだけれど、彼の(その地域の)仲間内でも、岡崎慎司の「ハードワーク」が話題になることがあるのだそうな。そう、それが「やり過ぎ」かどうかという議論。

 結論からすれば、ケースバイケースであり、その時点で最良の判断を岡崎慎司が出来ることが大事・・ということだけれど(まあ、当たり前の結論・・)、昨シーズンでは、岡崎慎司のハードワークは、おおむねポジティブな結果につながっていた・・という評価が多い。

 その評価は、前述した「やり(追いかけ)過ぎ」の状況(≒要は、追いかけたことで、本来の岡?のポジションを空けてしまい、チームが、そこから仕掛けるチャンスを逸してしまうという状況)でも、結果として、「大枠」ではポジティブな効果をもたらしている・・というものでした。フムフム・・

 そして後半43分。シュツットガルトが二点リードしていることで(シャルケ04が積極的に攻め上がってくることで!)、どちらかといったら、右サイドの守備をサポートする役割に徹していた岡崎慎司が爆発します。

 相手ファールによって、シュツットガルトが、ちょっと左サイド気味のハーフウェイライン位置からのフリーキックを蹴る場面。そのとき岡崎慎司は、本来の右ハーフの位置まで上がっていた。そして、そこへ、とても正確なサイドチェンジパスが送り込まれたのですよ。

 大きなサイドチェンジパス。マークする相手も、しっかりとポジションしている。少しでもトラップが大きくなっり、ブレたりしたら、すぐにでもアタックされてしまう。そんなプレッシャーの掛かる大事な場面で、岡崎慎司は、まさに落ち着き払ってトラップし、そして、まったく迷うことなく相手を切り返しで外し、そしてシュートを放った。

 この一連のアクションでは、迷うことなくシュートへいったことが素晴らしい。もちろん、持ち直して中央ゾーンへラストパスを送り込むという選択肢もあった。でも岡?は、「オレが!!」と、フリーな味方などまったく眼中にないといった雰囲気で、迷うことなくキャノンシュートを放ち、そしてそれが「スーパーゴール」になった。

 それは、まさにゴールゲッターのマインドが迸(ほとばし)ったシーンでした。たしかに岡崎慎司には、以前から、そんなゴールゲッター・マインドはあった。でも、ドイツに行って、それが先鋭化したと感じた。それも、守備意識と実効デフェンスを減退させることなく・・。

 ロスタイムも含めて15分あまりだったけれど、徹底した実効ディフェンスを魅せつづけていたからこそ目立ちに目立ったストライカー・マインドではありました。

 ドイツのメディアも、攻守にわたってメリハリある実効プレーを魅せつづけた岡崎慎司を持ち上げていたっけね。いいね・・岡崎慎司。札幌での存在感ある実効プレーが、今から楽しみです。

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 ちょっと話題は変わりますが・・。

 このところ、わたしが愛用しているウエストバッグやバックパックについて質問してくる方々が増えています。ということで、それを軽くご紹介することにしました。

 ブランドは、METAS(メタス)といいます。

 以前「サザビー」という有名ブランドのチーフデザイナーを務めていたわたしの友人が、10年前に独立して作り上げたプライベートブランド。その、痒(かゆ)いところにも楽に手が届くっちゅう感じの、実用的なアイデアが満載されたビジネスツールが、とても気に入ってます。

 METAS(メタス) が扱っているのは、わたしが愛用するウエストバッグやバックパックだけじゃなく、ショルダーバッグやハンドバッグ、はたまたボストンバッグやブリーフケース等もあります。

 全体的なデザインはオーソドックス(どこか懐かしいスタンダード・・というのがコンセプトらしい)だけれど、高質な材料の選択や、その素敵な組み合わせだけじゃなく、細かな気配りアイデアにも感嘆させられるスグレモノです。使い込めば込むほど(長寿もコンセプトの一環!?)、愛着がわいてくる。そして、安物とは違い、古くなればなるほど、素敵なチャック金具やおしゃれな裏地といった「細かなデザイン」が光り輝いてくる。

 ちょっと誉めすぎ!? まあ私は、メタスの哲学と、それを具現化したバッグ類を、とても気に入っているのですよ。

 様々なタイプのバッグを日々のアクションに活用している方々こそが、その細かな気配りアイデアを高く評価するに違いないと確信する筆者なのでした。ちょっと「押し」過ぎ!? あははっ・・

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 重ねて、東北地方太平洋沖地震によって亡くなられた方々のご冥福を祈ると同時に、被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。 この件については「このコラム」も参照して下さい。

 追伸:わたしは”Football saves Japan”の宣言に賛同します(写真は、宇都宮徹壱さんの作品です)。

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 ところで、湯浅健二の新刊。三年ぶりに上梓した自信作です。いままで書いた戦術本の集大成ってな位置づけですかね。

 タイトルは『サッ カー戦術の仕組み』。出版は池田書店。この新刊については「こちら」をご参照ください。また、スポーツジャーナリストの二宮清純さんが、2010年5月26日付け日経新聞の夕刊 で、とても素敵な書評を載せてくれました。それは「こちら」です。また、日経の「五月の書評ランキング」でも第二位にランクされました。

 




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